東京都の小池百合子知事は10日、都内で自身の政治塾「希望の塾」で講演した後、取材に応じ、来年夏の東京都議選に、塾生の中から候補者を選抜、擁立する意向を初めて明かした。

 「塾生には政治を学びたい人だけでなく、選挙に立候補したい人もいる。希望を聞いて、形はどうであれ後押ししたい」と明言した。「立候補の希望が多いのは、今の政治に不満を持っている人がいかに多いかの表れだ」とも述べ、体制刷新の必要性を強調した。

 都議選は、議会で対立を深める自民党と、知事就任後、初めて激突する場。自身に近い勢力を議会に増やして基盤を固めたい小池氏は「地域(選挙区)の事情の分析が必要だ。その中で、当選の確率が高いのはどなたか。ほかの顔ぶれ、調整はできるのか。複数の要素を合わせて考えたい」と見極める意向を示した。ただ、候補者決定には「身体検査」が欠かせない。都議選は来年6月の予定で、選抜作業を急ぐ方針だ。

 小池氏は、臆測が飛び交う「小池新党」には触れなかったが、受け皿づくりは否定しなかった。塾生には野党の地方議員もおり「状況はこれから変化する。カードはたくさん持ち、ベストな選択をしたい。改革を目指す方は既存政党の中にもいる。門戸はいつも開けておきたい」と述べた。

 塾生は、追加募集の約900人を加え、約4000人に到達。今回は、自民党が党大会を開くホテルの宴会場を使った。小池氏は講演で「すでに皆さんは評論家ではなく、立派なプレーヤーだ」と、呼び掛けた。【中山知子】