東京都議会は30日、第1回定例会最終日を迎え、7月の都議選に向けた小池百合子都知事VS自民党の戦いが、事実上スタートした。第1党なのに提案が通らない自民党は、小池氏に近い都民ファーストの会や公明に、共産まで加えて「いわゆる小池与党連合」と名指しし、対決姿勢をむきだしに。小池氏は「都民ファーストは何か、都民が示すチャンス」と、けん制した。小池氏が初めて手がけた17年度予算は、対立する自民も賛成。美濃部亮吉都政の73年以来44年ぶりに、全会一致で可決・成立した。

 議会最終日恒例の、都知事による各会派あいさつ回り。自民党は控室で、高木啓都議会幹事長らが小池氏を迎えた。全会一致の予算成立に「ありがとうございました」と謝意を示す小池氏に、幹部も頭を下げた。

 しかし、高木氏はここでジャブを放った。「特別委員会にお招きする場面があるかもしれません」。小池氏は「そうですか」と応じ、約30秒で控室を出た。

 自民は、移転の是非を明言しない小池氏を予算特別委員会で激しく批判。小池氏から「野党らしくなられた」と皮肉られた。今後、豊洲市場移転問題特別委員会へ、小池氏の参考人招致を見据える。高木氏は取材に、都議選の選挙公約に豊洲移転推進を盛り込むと、表明。小池氏との違いを打ち出した。