本会議では、自民党のいらだちもにじんだ。小池氏に市場移転の早期決断を求める内容の動議は、賛成少数で否決。審議日程延長の提案も、すでに否決されている。第1党のメンツ丸つぶれの姿に、討論に立った都議は「公明、共産、都民ファーストの会など、いわゆる小池与党連合の反対で否決された」と、各党を名指しし恨み節を漏らした。

 高木氏は「知事にものを言わず、苦言も呈さない。そんな組み合わせが多数を握っているのは、ある意味異常」と指摘。「都議選後の都議会でも第1党を維持する目標を持って、頑張りたい」と、「小池連合」との対決姿勢を鮮明にした。

 小池氏も、予算成立まで封印してきた自民党への思いを、全面解禁。「豊洲ありきでやってきたのが自民党。強引に推し進めようとする姿勢がよく見えた」と述べ、「これまでのような都政を続けるのか、新しく改革するのか。体質をどう変えるかを、都民が選ぶ。都民ファーストは何かを都民が示すチャンスが、次の都議選だ」と強調した。

 小池氏が初めて手がけた17年度予算は、敵対する自民に加え、是々非々の共産も39年ぶりに賛成。44年ぶりの全会一致だったが、都議選は激突モードに一変する。【中山知子】

 ◆東京都議選 6月23日告示、7月2日投開票。全42選挙区、定数は127。小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」は単独過半数の64議席を目指し、全選挙区で候補者擁立を調整。公明は小池氏と連携し、相互推薦する。小池氏と対立する自民は公明との選挙協力解消で苦戦が指摘され、民進系の「東京改革」は小池氏との連携を見通せず、公認予定者の離党が相次ぐ。共産は17議席から上積みを目指す。