小池百合子都知事と自民党都連が激突する東京都議選(7月2日投開票)は、来月23日の告示まで約1カ月。一騎打ちとなる千代田区(定数1)は、すでに選挙モード全開だ。小池氏と、同区が地元で今期で都議を引退する「ドン」内田茂氏(78)は今週末、ともに街頭デビューした新人候補への支持を訴えた。2月の区長選に続く、小池VSドンの「代理戦争」の行方は?

 内田氏は21日、中村彩氏(27)の応援演説に姿をみせた。小池氏系に惨敗した2月の区長選では決して表に出なかったが、自身の議席のバトンタッチがかかる今回は、表舞台で後継者への支持を訴える。「平成生まれの27歳だ。実にダイナミックな世代交代ができたと思う」。51歳と孫ほど年が離れた中村氏への期待を、満足そうに語った。

 千代田区の議席は1つだけ。「身内」で守るか、小池氏系に奪われるかの戦いだ。内田氏は「自民党から代表を送るのが私の大きな願い」と対抗心をみせた。

 中村氏は小池氏の「希望の塾」でも学んだが、「小池都知事と都民ファーストの会はまったく別物だと分かった」と、主張。「知事と都議会には、緊張関係が必要。できていないなら私が必ずやる」と述べ、「いいなりの都民ファーストの会と違い、私は内田先生にも自分の考えを申し上げている。若いからこそ、権力に臆することなくできる」と強調した。【中山知子】

 ◆都議選の現状 42選挙区、127議席を争う。自民は60人の候補者を決定。都民ファーストの会は、小池氏の支持勢力で過半数(64議席)獲得へ60人規模の擁立を計画しており、現在までに45人を公認した。他のおもな政党は共産38人、公明23人、民進21人、東京・生活者ネット4人。