To Whom It Mayのチョコレートを販売するHPには、こんなオシャレな写真が掲載されています(同社のHPから)
To Whom It Mayのチョコレートを販売するHPには、こんなオシャレな写真が掲載されています(同社のHPから)

9つの州とワシントン特区

 昨年の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことでカリフォルニアに住む多くの人たちが衝撃を受け、連日抗議運動が起きていました。ですが、その裏側で実はもうひとつ重要な法案が可決されたのです。それは、住民投票によって可決された嗜好用大麻の合法化。カリフォルニア州ではこれまで医療用大麻のみ認められていましたが、今年からはタバコやアルコールと同様に21歳以上の成人なら誰でも自由に購入し、また楽しむことができるようになったのです。これまでコロラド、ワシントン、オレゴンとアラスカ州にワシントン特別区でのみ嗜好用大麻が解禁されていましたが、今回の選挙で新たにカリフォルニア州を含む5つの州で合法化が決まり、大麻関連のビジネスに注目が集まっています。

大麻菓子に注目集まる

 その中、注目のひとつが大麻を使ったお菓子。これまでも医療目的で食べるクッキーやブラウニーなどは売られていましたが、今ハリウッドではオーガニックの大麻入りチョコレートやオシャレなトリュフチョコレートに姿を変えたものに注目が集まっています。

Marigold Sweetのココナッツキャラメルはオーガニック素材を使った手作りです(同社のHPから)
Marigold Sweetのココナッツキャラメルはオーガニック素材を使った手作りです(同社のHPから)

今はネットのみだが…

 大麻の主な有効成分として知られるテトラヒドロカンナビノールを含んだココナッツオイルをチョコレートに注入して作るハンドメイドの「Cannabis Chocolates(大麻チョコレート)」を販売しているのは、To Whom It Mayというカンパニー。現在はネットでのみ取り扱いをしていますが、ドライチェリーや唐辛子、ヘーゼルナッツバターにハニーなどのフレーバーがあり、LAウィークリー誌を始めとするメディアでも取り上げられています。同社のホームページを見ると、まるで高級チョコレートのようなパッケージとプレゼンで、とってもオシャレ。言われなければ、大麻チョコレートだとは思わないかもしれません。

キャラメルもあります

 ほかにも、オシャレで高級な雰囲気のチョコレートを販売するMarigold Sweetsもロサンゼルス・タイムズ紙で取り上げられ、注目されています。こちらもピーナッツクリームや海塩、ココナッツキャラメルなどのフレーバーがあり、それぞれに適量の大麻成分が含まれているとのこと。オーガニックの良質な素材のみを使っていることもウリのひとつだそうで、9つ入りのボックスが36ドルほど。表面に金粉をあしらったものなど、見た目もキレイで美味しそうに見えます。

板チョコなんかも売られています(千歳撮影)
板チョコなんかも売られています(千歳撮影)

子供や若者への悪影響心配

 これらのプロダクトはファッション誌にも登場しており、2017年のトレンドとなることは間違いなさそう。しかし、そんな傾向に子供や若者への悪影響を心配する声があるほか、「子供が間違って食べる可能性がある」と言う意見や「ファッション感覚で大麻を常習する人が増える危険がある」などと警告を鳴らす人もいます。

 大麻が合法化されることで、これまでネットで会員販売のみ行っていたこれらの商品が店頭販売される可能性も出てきました。今後はもっと様々なマリファナフードを日常生活で目にする機会が増えてきそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子)