清流に春の訪れを告げる渓流釣りが、関西の主要河川で解禁された1日、和歌山・日高川龍神地区へ美形アマゴを求めて出掛けた。2日前の暖かさが一変、雪がうっすらと積もる冬景色の開幕。急激な気温変化で早朝は食いが渋かったが、日が差すと徐々に反応が良くなりヒレピンがサオを曲げてくれた。正午前までに12~24センチを45匹釣りあげ気温が上昇してくる今後が楽しみな釣行となった。

 2日前の暖かさが一変、うっすら雪化粧の中での解禁日となった。午前6時半、かめたに橋から約500メートル下流の山道から川へ。平水で最高の条件だが、前夜からの急激な冷え込みで魚の活性が心配。しかし待ちかねた川釣りの始動にワクワクしながらサオをのばす。水温の低い初期は川底に魚がいることが多く、エサを底流れに入れスローに流すのが重要だ。まずは1級ポイントのふちから始める。

 ハリ上25センチにG3のオモリを打ち、生イクラを3粒刺して瀬落ちに投入。しかし仕掛けが軽く少し流れるスピードが速い。そこでオモリをG1に替える。今度は底波をとらえゆっくり流れだすと目印がフッと止まった。少し送り込んで合わせるとグンとサオに重みが乗る。タモに飛ばしたのは19センチの鮮やかな朱点をちりばめたアマゴ。きれいな魚体に思わず表情が緩む。

 流す筋を変えながら底をじっくり攻めると、ぽつぽつアタリがあるが活性が低い。目の前に流れてくるエサだけを捕食している感じ。雪がちらつく中、釣り上がる。瀬脇や石裏を探るが反応なし。水深があるポイントに狙いを絞り同8時過ぎまで14~20センチを16匹。

 次は小森谷に入った。同9時過ぎ、小川との出合い橋から約150メートル上流のふちから始める。底を意識しながら流すと、目印がスーッと引き込まれた。すかさず合わせると水中でギラッと光り魚体をクネらせ抵抗する。引き抜くと21センチのヒレピンのアマゴ。続いてツツ~ンと手元に響くアタリでぽってりとした15センチ。気温は低いが、日差しが届きだし、少しずつ水温が上がってきたのか食い気が出始め12~18センチを8匹追加。その後も深みだけを攻めるとコンスタントにアタリが続き、正午前までに12~24センチを合計45匹釣り上げ、大満足で川を後にした。【日刊FPC・下田成人】

 【今後の見通し】水温が上昇してくるこれからは、現地でクロカワ虫などを採取し、それを刺しエサに瀬を攻めると面白いだろう。解禁の直後は釣り人が多くて一時的に釣り荒れするが、まとまった雨が降ったあとの引き水時が数釣りの絶好のチャンスになる。水況を現地に確認して安全に釣行してほしい。

 【問い合わせ】「食堂松阪」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0739・79・0259。入漁券は年券5400円、日券2160円。生イクラ・川虫の購入は要予約。同食堂の松阪正澄さんが現地の情報に詳しい。

 【交通】阪和自動車道の有田ICを有田・金屋方面に出て県道22号、国道424、425号、同371号を経由して龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜けると右側に同食堂。