<フィッシング・ルポ>

 「2008日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」アユ釣り大会が9月28日、静岡・興津川で開催された。午前中の予選(57人)を通過した14人と、シード選手8人が加わり、計22人で決勝戦が行われた。薄日が差し始めた午後の状況を的確に読んで攻めた鈴木克佳さん(32=静岡県湖西市)が、オトリアユ2匹を含む計11匹で初優勝を果たした。2位中村義則さん(30=東京都あきる野市)とは1匹の小差だった。

 後半の深場への移動が小差の争いに決着をつけた。優勝の鈴木さんは「浅瀬でダメだったので、どんどん深場へ移動した。これがよかったのでしょうかね」と勝因を振り返る。決勝戦に与えられた時間は2時間。エリアは大綱のつり橋を境に、上流の矢崎橋から下流の和田島エンテイまでで、前半1時間はゼッケン偶数組が上流、奇数組が下流に分かれた。

 早い判断が勝利を導いた。前半、上流組だった鈴木さんは川の真ん中に立って浅場のザラ瀬を中心に両岸のヘチを攻め、5匹をゲット。下流に場所を変えた後半は、同じ浅瀬での攻め方では釣れないと判断し、今度は岸側に立って流心の深場にオトリを泳がせた。

 これが当たった。午前の予選から多くの選手が入ったのは浅瀬。荒らされた場所ではなく、まだ手付かずだった深場を狙ったことで釣果を伸ばした。また、午後から薄日が差して水温が18度から20度台に上昇し、魚は深場へ移動。状況の判断も的確だった。後半は4匹を釣ってオトリアユを含め合計11匹とした。

 「前半は何度もバラしてしまった。中村さん(2位)がポンポン釣っているので『いいなあ』と思って見ていました。結構焦りましたね」と笑う。鈴木さんと同じ偶数組の中村さんは後半に釣果が伸びず2年連続で準優勝だった。過去に優勝の経験も持つ中村さんは「前半の1時間は調子よかったのに…」と悔しがった。

 3位入賞の木下敦さん(53=静岡市)も優勝の経験を持つ。「2度目の優勝を狙っていたのですが、甘かったですね」と振り返る。昨年7位の鈴木さんは、午前の予選から出場。並み居るシード選手や過去優勝経験者をはねのけて初優勝を果たした。「ほかの皆さんはもっと釣っていると思っていた。まさか優勝できるとは思いませんでした」と、謙虚に喜びをかみしめていた。なお、鈴木さんを含め、上位3人には来年度のシード権が与えられた。【飯塚誠】

 ◇大会運営委員長・相吉孝顕さん(74=日刊釣りペン・クラブ)

 大網のエリアは、予選で場荒れしていたが、水温が上がるとアユがザラ瀬で見えるようになった。鈴木さんはそれを読み、前半の上流ではザラ瀬を攻め、後半の下流では魚が深場の流心に追い込まれたと判断し、流心を狙うなど状況に応じた釣り方は見事。シード選手のプレッシャーにも動ぜず冷静に釣っていたのが印象的な優勝者でした。

 ◇大会競技委員長・横山愛治さん(60)

 シード選手がプレッシャーに苦しむ中、鈴木さんは<自分流>の釣りに徹していた。特にオトリアユの操作が巧みだった。<落ち>シーズンで神経質になっているアユに対し、自然に泳がせ、ちょっとテンションをかけるなど小さな動きで対応していた。興津川は11月中旬ごろまで楽しめるが、鈴木さんの釣り方はこれからの攻略の参考になるだろう。

 ◇賞

 初優勝の鈴木さんには、がまかつ提供の高級アユザオ「がま鮎

 マルチフレックス50

 スフィーダ引抜急瀬」(約18万3000円相当)カシオ提供の多機能付き高級腕時計「プロトレック

 PRW1500TJ-7JF」(約6万円相当)マルキュー提供のサブバッグなど豪華副賞が贈られた。

 <主催>日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会

 <協賛>がまかつ、マルキュー、カシオ、カーチス、デューク、箱根湯本ホテルほか

 ▽問い合わせ

 日刊スポーツ新聞社指定「あこがれ亭」(電話)054・393・3814。日釣り券1200円(女性&70歳以上600円)現場購入1700円、年券6000円。宿泊も可能。HP<http://akogaretei.burari.biz/>

 ▽交通

 電車はJR東海道本線・興津駅からタクシー利用。マイカーの場合は東名高速・富士インターから海岸沿いの国道1号を静岡方面へ走り、興津インターから国道52号に入り小島右手の「あこがれ亭」へ。