MLBはポストシーズンに突入し、ワイルドカードからの激しい熱戦が繰り広げられている最中だ。その一方で終了したレギュラーシーズンに関する興味深い数字がいくつか出ている。

まず目に止まるのが各チームの成績である。今シーズン、107勝を挙げたアストロズを筆頭に、ヤンキース、ツインズ、ドジャースと100勝以上したチームが4つに上った。これは史上最多である。100勝以上したチームが3以上となったのは3年連続となった。実は100勝以上が3チームだったのはそれ以前だと、1942年、1977年、1998年、2002年、2003年の5回しかない。

対して100敗以上の負けを喫したチームは114敗のタイガースを皮切りに、オリオールズ、マーリンズ、ロイヤルズと4チームとなっている。これは2002年以来初のことだ。

一方的な試合としてはアストロズがマリナーズを18対1で下した試合やヤンキースがオリオールズに17対1で大勝した試合があった。このような成績を見ると、極端に力の差がつくようになっているように感じる。

実は打撃にも同じような傾向が出ている。MLB全体での本塁打数は6776本で、これは史上最多だ。2017年に記録された6105本よりも500以上も多いのである。3位となる2000年の5693本より1000本以上多く、昨年の5585本より1200本以上も多いのである。

チーム別で見るとツインズが307本で最多。ヤンキースが306で、この2チームが300本超えとなった。さらに14チームがチーム記録を更新している。

その一方で三振が増加し続けている。今シーズンの総三振数は4万2823で昨年より1516も増加した。もちろん史上最多だ。実は三振の数は2008年から12年連続で増加を続けている。ヒットの数を三振が上回ったのは2年連続だ。200以上三振を奪った投手は23人で、これは2015年と昨年に続く3回目の記録だ。

さらに盗塁の数は2280でこれはストライキのあったシーズンを除くと1973年以来最少である。このように見てくると、プレーの内容もパワー重視の悪くいえば大雑把な時代に突入しているといえるかもしれない。

人気についても興味深い。総観客数は6849万4752人で、1試合平均2万8198人だった。 これらは2003年以来の最低(6763万0,052、平均2万7831)であり、2007年に記録した最多記録の7948万4718人、平均3万2696人から約1200万人も減少している。

ただテレビや試合中継の配信は好調だった。全米放送のFoxでは平均視聴者数が昨年よりも9パーセント増え、ここ7年で最多を記録。ローカル放送でもプライムタイムの中継が25地域中24で行われたのは初めてのことだ。さらにMLBの動画視聴アプリのユーザー数は18パーセント増えている。

ファンの楽しみ方も含め、MLBは変貌し続けているようだ。