東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの開閉会式について大会組織委員会が、両大会の閉会式を簡素化する案を検討していることが2日、複数の大会関係者への取材で分かった。

21年夏への延期で膨らむ大会予算を削減するため、演出計画も抜本的な見直しが必要となっている。開閉会式演出チームなどが検討している案の1つ。

国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)は、選手が大会出場の特別感を最も感じられる開会式を重要視している。そのため、予算は削減しつつも開会式は一定程度の祝祭感を維持しながら、各閉会式を簡素化することで、上限130億円の開閉会式予算を大幅に削減したい意図がある。

過去大会の開閉会式は、開催国の威信をかけた大会を象徴する役割を担い、多くの予算をかけた華美なものだった。東京大会でもメインスタジアムの国立競技場(新宿区)で行われる。しかし、新型コロナウイルスの影響で延期となった来夏の大会は、20年夏と全く異なる環境での開催となるため組織委は、式典の内容や演出などを見直すと表明している。

同チームの中では、五輪の開幕時に五輪・パラの総合開会式をやり、パラの閉幕時に、総合閉会式をやる「2部作」の合同案も考えている。近代五輪124年の歴史で初の延期を象徴する大改革案である一方で、ハードルが高い面もある。パラ選手が約1カ月前の五輪開幕に合わせて来日しなければならない点や、販売済みのチケット、放映権などの問題をクリアする必要がある。

組織委は経費について、100超の項目で聖域なく削減案を検討中。大会の顔である開閉会式も例外ではなく、大胆な計画変更に着手している。