日本“2つのPK”で引き分け/W杯予選
<W杯アジア3次予選:オマーン1-1日本>◇7日◇2組◇ロイヤル・オマーン・ポリススタジアム
【マスカット=7日】日本が苦しみながら、3次予選突破(上位2チーム)へ1歩前進した。2日にホームで3-0と完勝したオマーンに前半12分に先制を許すよもやの展開。開始時の気温が38度と日本では経験できない暑さにも苦しんだが後半8分、MF遠藤保仁(28=G大阪)がFW玉田が得たPKを落ち着いて決める値千金の同点ゴールを奪った。その後GK楢崎が相手PKを阻止するなど、アウェーで何とか引き分け。日本は勝ち点7で2位をキープし、8日夜にはタイ戦(14日)に備え、バンコクへ向け同地を出発する。
ベンチを飛び出した岡田監督が両手をたたいた後、下から右こぶしを突き上げる。0-1で迎えた後半8分、玉田が得たPKを遠藤が決めると、派手なガッツポーズ。同点ゴールにベンチも重たい空気が吹き飛んだ。その後もGK楢崎が相手のPKを阻止。大久保が相手GKを蹴って退場する予想外の展開も、アウェーの「消耗戦」で最低限の勝ち点1を死守した。
岡田監督「十分勝てると思ったが、最後のところで決まらなかった。暑さの中で選手は頑張った。引き分けも仕方がない」。
試合開始時の気温は日本では経験できない38度。試合途中から湿度もジリジリと上昇する気候に苦しむ。コイントスに勝ち、前半西日を背負って東に攻める作戦は成功したが、リズムに乗れなかった。同12分にミドル弾を浴び、3月のバーレーン戦以来4戦ぶりの失点を喫した。その後は圧倒的に攻めながらもラストパス、そしてシュートの精度を欠いて前半はゴールを奪えない展開だった。「1本が入らなかった」と指揮官が嘆く中で日本を救ったのは遠藤だった。
0-1で迎えた後半8分。プレミアリーグのボルトンで活躍する相手H・アルハブシをあざ笑うかのように、簡単に右隅に決めた。「いつもの通りに、最後に相手が動くのが見えた。まあ、緊張しない方なので」。04年2月のW杯予選で中村俊のPKを止めた手ごわい相手を「職人芸」で撃破。中沢から促されての一蹴りで、アウェーで貴重な勝ち点1をゲットした。
3月のアウェー、バーレーン戦では先発から外された。オシム前監督、そして昨年12月に引き継いだ岡田監督からもチームの中心に据えられていた。それが同戦では「戦術的理由」という説明で控えに回された。コンディションが思わしくなかったこと、勝負どころで投入したかったことなどが理由とはいえ、過去にもカズ(三浦知良)ら主力をバッサリ切り替えた岡田監督だけに、周囲には不穏な空気も流れた。
だが、W杯への思いは少しも折れなかった。「わだかまりはなかった。ジーコの時もそういうことはあったし、気持ちが切れることはなかった」。岡田監督が自分に求めるものを間接的に聞き、運動量を増やしMF中村俊を中心としたチームの「黒子に徹する」ことを実践。「俊輔を生かすために守備をする」。攻撃的MFから守備的MFとなりチームに献身的に働く遠藤は、新たな布陣でも先発の座を勝ち取った。
3次予選突破へ1歩前進した日本だが、次戦のタイはホームで力を発揮する。岡田監督は大久保の出場停止、下痢などの体調不良者が続出する状況に「追加招集の可能性もなくはない」と話した。この日は「2つのPK」で救われたが、南アフリカにたどりつくまで、楽な試合は1つもない。
[2008年6月8日9時46分 紙面から]
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