FW本田圭佑(28=ACミラン)が、王国ブラジル戦でMFカカ(32=サンパウロ)との“再会戦”に臨む。サッカー日本代表は11日、国際親善試合のブラジル戦(14日)に向けて、新潟空港から韓国・仁川経由で開催地のシンガポールに到着した。本田は昨季から加入したACミランでカカと親しい間柄だった。カカ退団後、ミランで得点源となった決定力を見せつける。

 本田対カカ。5カ月前まで同じACミランのユニホームを着てともにピッチに立っていた2人がシンガポールで再会する。日本代表はアギーレ体制初勝利を挙げたジャマイカ戦から一夜明け、約200人のサポーターの見送りを受け、新潟空港から出発した。韓国を経由し、約9時間後に赤道直下の現地に到着。日が沈んでも30度を超える蒸し暑さ。サングラスにスーツ姿で到着口に現れると、居合わせたファンも含め、約500人の出迎えを受けた。

 経由地の韓国・仁川空港内で、カカとの対戦について問われた本田は一切口を開くことはなかった。ただ、ミランでともに過ごした期間は約5カ月と短いものの、近所に住み、本田の運転手付きの車の後部座席に並んで練習場に通ったこともある。片道約1時間の車中では英語で会話を重ねた。そんな特別な存在だ。

 代表合流直前のキエボ戦(4日、ミラノ)ではFWメネズとキッカーを巡ってもめた末、直接FKを決めた。試合後「カカだったら、譲っていたかもしれない」と言っている。名実ともに世界NO・1の選手だったベテランを特別視している。

 昨季限りでカカはミランを退団した。ともにプレーした昨季後半はトップ下から押し出され、2列目右で苦しんだ。だが、今季は新たな得点源としてセリエA開幕から6戦4発。カカは今回、追加招集で国を背負って戦う機会はこれがラストチャンスになるかもしれない。7日には「少ない可能性かもしれないけどジャイアントキリング(番狂わせ)の可能性を探らないといけない」と話していた。“御礼弾”を決めて歴史的勝利をつかみたい。

 今回はミラン加入時に真っ先に声をかけてくれたFWロビーニョ(現サントス)、CSKAモスクワ時代に右サイドで連係したDFマリオ・フェルナンデスもいる。敵将は小学校時代、人生で1度だけのサインをもらった人物ドゥンガ。これだけゆかりのある人物がそろい、燃えないはずはない。