いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの代表取締役に就任した、前J1湘南社長の大倉智社長(46)が13日、都内で会見を行った。オーナー会社のドーム・安田秀一社長(45)と、この日就任が発表された元オランダ代表で広島でプレー経験があるピーター・ハウストラ監督(48)も同席した。「スポーツを通じて、いわき市を東北一の都市にする」をテーマに、J1昇格を目指す。

 福島県社会人2部からJ1までの険しい道のりにも大倉社長は自信を見せた。「まずは来季1部リーグに昇格して、いわきの人々に認知してもらいたい」。昨年12月、旧いわきFCから譲渡される形で発足。オーナー会社で、巨人のユニホームを供給するアンダーアーマーと契約しているドームの物流センター「ドームいわきベース」が、いわき市内に完成したのが契機となった。

 現在練習場はなく、ベース敷地内に6月完成予定のクラブハウスができるまで練習場は転々とする。メンバーは旧チームからの合流組を合わせ「既にスカウティングはしているが今の時点で5、6人」(大倉社長)のため、23日にはトライアウトを実施する。大倉社長は「最終的に18人から20人ぐらい」と話した。

 理想として育成型クラブを掲げる。大倉社長は「選手をとってとられてはではなく、アカデミー(下部組織)から育成を」と、育成システムが確立されているオランダからハウストラ監督を1年契約で招聘(しょうへい)した。ハウストラ監督は「話をもらったときはすごく興奮した。コーチとして日本に戻りたかった」と語った。クラブとしてもサッカースクールの無料化を掲げ、下の世代から積み上げを狙う。

 J1残留を果たした湘南の社長の座を捨て、一からクラブを営む大倉社長は強気に宣言した。「46歳、もう1度勝負したかった」。被災地、いわきから天下獲りを狙う。【高橋洋平】

 ◆大倉智(おおくら・さとし)1969年(昭44)5月22日生まれ、神奈川県出身。東京・暁星高、早大を経て92年に日立製作所に入社。94年から柏とプロ契約を結び、磐田、仙台でプレー後、98年9月に引退。01年シーズン途中にC大阪チーム統括ディレクターに、05年には湘南の強化部長に就任。13年4月にGM、翌14年4月に社長に就任した。現役時はFW。180センチ、73キロ。

 ◆ピーター・ハウストラ 1967年1月18日、オランダ生まれ。84年にフローニンゲンでプロ生活を始め、ポジションはFW。88年にはトゥウェンテでオランダ代表に選出され、8試合出場。グラスゴーレンジャーズを経て95年から広島でプレーし、2年間で63試合13得点。00年に引退後は指導者に転身。09年に名門アヤックスでアシスタントコーチ、10年にフローニンゲン、12年にデ・フラーフスハップで監督を歴任。14年からインドネシア代表のテクニカルディレクター。182センチ。