3年ぶりの大阪ダービーに、4万人を超える大観衆も燃えた。ホームの大声援を背にFW杉本健勇(24)の2発でセレッソ大阪が逆転すると、後半ロスタイムにガンバ大阪は、C大阪にも所属した日本代表MF倉田秋(28)の日本選手初の両軍でのダービー弾で同点。互いに譲らず2-2の引き分けでダービー史上2番目となる4万2438人が詰めかけたヤンマースタジアム長居を熱狂させた。リーグ戦での通算成績はC大阪の9勝5分け19敗となった。

 サポーターも、この日を待っていた。3年ぶりに実現した大阪ダービー。4万人超えの“桜の名所”を熱狂させたのは、1-1の後半41分だった。C大阪FW杉本がゴール前の混戦で、MFソウザの左クロスに頭で合わせた。そのままゴール裏に駆けだし、歓喜に沸く応援席の前でFW柿谷、MF山口、MF清武らと喜びを爆発させた。杉本は0-1の後半26分には同点弾も決めていた。だが「ありえへんくらい悔しい」と言った。それほどダービーにかけていた。

 意地と誇りがぶつかる一戦は、試合前から盛り上がっていた。前売り券は12日に全席完売。当日券の販売はなかったが、自由席券を持つ人が前日朝から路面にテープを貼るなどして並び順を確保。この日の午前8時ごろから人が並び始めた。運営側は混乱を避けるため、開場をファンクラブ席で1時間半、他の席を1時間早めた。観衆4万2438人は大阪ダービー史上最多だった14年4月の4万2723人に次ぐ2番目。C大阪のホームでも4番目を記録した。尹晶煥監督も「大勢の方がグラウンドに足を運んでくれた。いい雰囲気だった」と感謝した。

 熱気が充満する超満員の前で最後に追いつかれて連勝は3で止まり、ダービーの通算成績は9勝5分け19敗となった。「(杉本)健勇が逆転してくれたのに、守りきれなくて申し訳ない」と柿谷。杉本は「勝って喜びたかった。これからもっと強くなっていかないと」と成長を誓う。スタジアムを歓喜の色に染められなかった悔しさで、チームはさらに大きくなる。【中島万季】