J1清水は5日、リーグ開幕戦(8日=対大分)へ向けて紅白戦を行った。主力組が2失点した1本目終了後、長谷川健太監督(42)がカミナリを落とした。開幕スタメンがほぼ確定しているチームに緊張感が生まれ、3本目に主力組が3得点を挙げた。新メンバーが思うようにフィットしないなど課題は残るが、指揮官の熱い思いから呼び覚まされた一体感が、残り2日間でプラスに働く。

 開幕を3日前にして、ピッチを緊張感が包み込んだ。紅白戦の1本目終了後。「ダメなら使わない」。長谷川監督は、ミーティングで確認した「サイドの裏のスペースをうまく使う」狙いを実践できず2失点した主力組に、約10分間、時に厳しい言葉で活を入れた。

 カミナリが効いたのか、2本目からボールが回り出し3本目に3得点。長谷川監督は「気持ちの問題。けがをしたくない(主力組)のとポジションを取りたい(サブ組)の差が出た。全員を替えたいくらいだった」と苦笑い。新メンバー交代後に結果が出たことについては「悩ましいですね」と複雑な心中も吐露した。

 開幕スタメンがほぼ固まっているだけに、気を引き締める意味合いもあったはずだ。MF藤本が「(カミナリで)『やらなきゃ』みたいなのはあった。最初から出ないと」と言えば、DF高木和主将も「言われる前にどうにかしないと」。新メンバーが思うようにフィットしないなど課題は残るが、本番を前にいい緊張感は生まれた。

 「これでいけるって形で終われればいいが、なかなかそうならない」と漏らした指揮官のカミナリが、雨降って地固まる、となるか-。開幕戦で同じ轍(てつ)を踏まないために残された時間は、あと2日間だ。【浜本卓也】