ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)が新天地で初めて戦術練習に参加した。

 熱狂的に迎え入れられ、入団発表での振る舞いで“つかみはOK”とばかりに順調に滑り出した本田に、意外なところから逆風が吹いてきた。

 チーム初合流した8日の練習後、正門前には本田目当ての熱狂的なサポーター約30人がいた。車の後部座席に座っていた本田は素通り。これに複数サポーターが「これはちょっと良くないスタートだね」などと、顔をしかめた。

 この名門クラブでは、初めて練習場に来た有力選手目当てにサポーターが集まる。新入りは、初日はサインで自己紹介するのが暗黙の了解だという。本田は以前から、サインの求めには比較的応じてきた。どうやら今回はこのしきたりを知らなかったようだが、批判への“火種”ができたともとれる。

 一方、厳しいことで知られるメディアは大歓迎ムード。1~3面を割いたガゼッタ・デロ・スポルトは1面で「スーパースターに値する入団発表だった」と大絶賛した。くしくも会見では「自分が何者か、ピッチで示したい」と言った。肝心なのはプレーで認めさせること。それができれば風向きなど関係ない。

 練習が冒頭のみ公開された9日の練習後は、30人のサポーターが待ち構えたが、本田は前日と同じく後部座席に乗ったまま、その前を素通りした。中には手を広げて、なんだよ、と言わんばかりのジェスチャーで、憤りを示すサポーターもいた。