軽で唯一、運転席に電動パワーエントリーシート装備 小さな高級車 ダイハツ「ムーヴ コンテ カスタム」
高級車の乗り心地 ! ダイハツの軽乗用車「ムーヴ コンテ カスタム」は、軽乗用車で唯一、運転席に「電動パワーエントリーシート」を装備したゴージャスな1台だ(「RS」に標準装備、「X」はメーカーオプション)。サイコロのようなスクエアな外観への視線を感じつつ、早春の真鶴~湯河原周辺をドライブした。
サイコロのようなスクエア外観
- サイコロのようなスクエア外観
小田原方面から湯河原へ向けて走る。眼下に相模湾を望む片側1車線道路の行く手はカーブの連続だ。試乗したのはターボ装着の「ムーブ コンテ カスタムRS」(FF=前置きエンジン前輪駆動)。グッとアクセルを踏む。無段変速のCVTが滑らかにエンジンのトルクを伝え、スーッと坂を上る。低速時からパワフルな味付けだから、やや大柄な中年男性を含む成人4人乗車だったのに、発進・加速時のパワーは十分。アクセルを踏めば即座にクルマが反応する。
加速パワー十分
コーナー入り口でグッとブレーキを踏んでハンドルを切る。室内が水平に保たれたまま右に、左に小気味よく曲がる。ボディーが左右に振られる感覚はほとんどない。カーブで室内がねじれるようなこともない。ボディーはよほどガッチリと作ってあるのだろう。安心感たっぷりの走りに満足した。
安心感たっぷり
- 「MOMO」ステアリングが印象的な運転席
外観はサイコロを思わせるスクエアなデザイン。室内は黒を基調にまとめられたスポーティーな印象で、スポーツカーでおなじみ「MOMO」製の革巻きステアリングが存在感を示す。だがそれだけではない。コンパクトカーなどの普通車を上回る質感の前後シートが乗る人を待ち受けている。縁取りが施された「プレミアムソフトシート」。フランス人デザイナーの手によるおしゃれなデザインだ。
中でも圧巻なのは運転席。軽自動車で唯一の、電動「運転席パワーエントリーシート」が標準装備されている(「X」はメーカーオプション)。スライド幅は240ミリ。運転席下のスイッチを押して、無段階で動かせる。ベストポジションを見つけたら、ハンドル右奥のスイッチで〝登録″。運転席を前後に動かした後に「マイポジションスイッチ」を押せば、自動で〝登録″ポジションに戻ってくれる。
イグニッションONの状態ならエンジン始動前でも操作可能。停車時に試してみたところ、どれどれ…「マイポジションスイッチ」を押すと…あっ、登録した位置までグーンと動いた。降車時などにはエンジンをOFFにしてから約30秒間作動するから便利、便利。小さな高級車に乗っているような気分である。
少ない風切り音
- 電動の「運転席パワーエントリーシート」は〝登録″した位置に自動で動く
さて、今度は湯河原から小田原経由で湘南海岸の国府津まで。町中を走っていると、これがかなり静か。エンジンと室内の間やタイヤ周辺などに重点的に配された防音材が効いているようだ。心なしかドアミラーの風切り音も少ないようだが、ダイハツの担当者に尋ねると「風切り音のしにくいデザインを開発しました」とか。すごいこだわりだ。
ほぼ満開の梅林の中を静かに進む。エンジンノイズが気にならないから、4時間ほどのドライブ中、後席の仲間とも普通に会話を楽しめた。気になる燃費だが、10・15モードで21・5キロ/リットルとかなりの高水準。CO2排出量を抑え「平成17年排出ガス基準50%低減レベル」を達成するとともに、「平成22年度燃費基準20%達成車」のお墨付きを得ている。
「ムーヴ コンテ カスタム RS」(FF)の価格は155万4000円(4WDは167万4750円)。 →詳細はコチラ。
ダイハツ「ムーヴ コンテ カスタム RS」主要諸元表
ダイハツ「ムーヴ コンテ カスタム RS」主要諸元表 | ||
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FF | 駆動方式 | 4WD |
3395/1475/1640ミリ | 全長/幅/高 | 3395/1475/1640ミリ |
2000/1335/1350ミリ | 室内長/幅/高 | 2000/1335/1350ミリ |
2490ミリ | ホイールベース | 2490ミリ |
1300/1295ミリ | トレッド前/後 | 1300/1265ミリ |
150ミリ | 最低地上高 | 145ミリ |
880キロ | 車両重量 | 930キロ |
21・5キロ/リットル | 10・15モード燃費 | 19・8キロ/リットル |
無段変速CVT | ミッション | 無段変速CVT |
4・7メートル | 最小回転半径 | 4・7メートル |
DOHC3気筒ターボ | エンジン形式 | DOHC3気筒ターボ |
658CC | 総排気量 | 658CC |
64馬力/6000回転 | 最高出力 | 64馬力/6000回転 |
10・5kgm/3000回転 | 最大トルク | 10・5kgm/3000回転 |
無鉛レギュラーガソリン | 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
155万4000円 | 価格 | 167万4750円 |
「ムーヴ コンテ カスタム」アラカルト&データ
室内長2000ミリで大人4人楽々
◆大人4人が楽々乗れる 2490ミリの超ロングホイールベースなどで室内長は何と2000ミリ。前後乗員間距離が955ミリあるので、後席で足を組んでもまだ余裕たっぷり。
◆電子カードキー 持っているだけでドアの解錠、施錠やエンジン始動&停止ができる。盗難防止の「イモビライザー機能」も盛り込まれている。
◆90度開閉ドア 前席&後席の4カ所のドアはいずれも約90度まで大きく開く。大きな荷物の積み降ろしだけでなく、チャイルドシートの着脱も楽々。
◆リバース連動リヤワイパー フロントワイパーを使っている時、ギアをバックに入れると自動で3回前後、リヤワイパーが作動する。ちょっとした手間を省けるうれしい装備。
◆赤外線カットで日焼け防止 フロントウインドウにIR(赤外線)吸収成分を配合、皮膚温度上昇を和らげる。
◆シートアレンジ 前席を完全に倒した「ロングソファーモード」は仮眠にピッタリ。また助手席だけを倒す「フロントサイドフラットモード」なら、長尺の荷物などを載せるのに便利。後席を前に倒し荷室を広げる「フル/ハーフラゲージモード」なら大型旅行バッグもたっぷり入る。
◆そのほかの便利機能 室内至る所に収納が設置されている。主なものでも14カ所あり、貴重品も外からは見えない場所に隠せる。
◆安全性能・その1 衝撃分散構造などを持つ衝突安全ボディー「TAF」を採用。国内および欧州衝突安全基準をクリアー。世界最高水準の前面フルラップ55キロ/h、前面オフセット64キロ/h、側面55キロ/h、後面55キロ/hの衝突実験でも高い乗員保護能力を発揮している。
◆安全性能・その2 運転席と助手席には「デュアルSRSエアバッグ」を標準装備。衝撃吸収ステアリング、ブレーキペダル後退防止機構も標準装備だ。
◆安全性能・その3 衝突事故時の歩行者へのダメージ軽減のため、ボディー各部に衝撃吸収緩和装置を設置。またスリップ防止のABS(EBD&ブレーキアシスト)を標準装備。
◆エクステリア(外観) 都会的なイメージ、あでやかさ&押し出しの強さが売り物。縦型2灯式ディスチャージヘッドランプ(ロービーム)や、スモークアクリル&メッキモールを組み合わせたフロントグリル、エアロバンパーで迫力を演出。ボディーカラーは9色(3色はメーカーオプション)。
◆スポーティーな仕様 15インチアルミホイール、ローダウンサスペンションがロー&ワイドなシルエットをつくり出している。リヤスポイラー、リヤコンビネーションランプなど、こだわりの仕様が満載。
◆インテリア(内装) クールで落ち着いた黒基調の室内は、シルバー系のアクセントやメッキパーツなどがシャープな印象をもたらしている。フランス人デザイナーによる「プレミアムソファシート」は、おしゃれなデザインに加え、ゆったりくつろげるソファのような座り心地だ。
累計販売台数約3万6000台
▼グレード別人気 エントリーモデルの「X」が66%と圧倒的。試乗した最上級モデルの「RS」も34%となかなかの人気だ。
▼人気のカラーは? (1) 黒系「ブラックマイカメタリック」が26%と最も人気。 (2) 白系「パールホワイトⅢ」(メーカーオプション)が22% (3) 青系「アーバンナイトブルークリスタルメタリック」(メーカーオプション)21%が続く。
▼ユーザーの性別、年代は? スポーティーなイメージながら、75%が女性ユーザー。男性は25%と意外に少ない。年代別では20代以下30%、30代25%、40代25%、50代以上25%。若者がやや優勢ながら、幅広い年齢層に支持されている。
▼エンジン形式、駆動方式は? ノーマルエンジンが66%で、ターボは34%とやや少ない。ノーマルエンジンでも十分な走りが期待できるからだろう。でも余裕ある走りにはやっぱりターボ。駆動方式はFFが84%、4WD16%で圧倒的にFF優勢。
▼累計約3・6万台 昨年8月のデビュー以降、2月までに3万5993台が売れている。ちなみにダイハツの2月の軽自動車シェアは35・0%で、14カ月連続軽シェアトップを獲得。
▼兄弟車「ムーヴ コンテ」との比較 台数では「コンテ」59%に対し「ムーヴ コンテ カスタム」41%。目立ちたいならやっぱり「コンテ カスタム」の方が有利? かも。
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■ ダイハツ工業株式会社 お客様相談室
■ フリーコール 0800-500-0182
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