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みぞれ酒に合う肴

淡海地鶏の水炊き<囲涼庵>

坂元耕平店長  鴨川と高瀬川の間の細い路地を三条から四条に下る。初夏の夕陽に照らされ、キラキラと輝く石畳に打ち水する女将や、すれ違う芸舞妓の横顔。ここは京都を代表する花街・先斗町(ぽんとちょう)だ。ポルトガル語が語源で「先のとがった」を意味するこの通り沿いの店は敷居が高そうで料金も心配だが、リーズナブルで入りやすい店もある。歌舞練場裏にある「囲涼庵」は鶏と野菜の素材にこだわった店として、地元の食通に知られる。玄関には、カロリーベースで日本産食材使用量が5割を超える店だけが許される「緑提灯」が吊られる。50%どころか限りなく100%に近く―。そんな地の物への愛情とこだわりが、「みぞれ酒」に合う肴を演出する。「淡海地鶏」と「京野菜」の奏でるハーモニーを楽しみに料理を待った。


究極の肴

淡海地鶏の水炊き

穴子の焼霜造り 看板メニューは「地鶏の水炊き」と坂元耕平店長(23)は自信を見せる。毎日、滋賀・堅田から朝引き鶏を取り寄せている。大阪の有名鶏料理屋で修行を積み、多くの鶏を研究した店長が、こだわり抜いたのが「淡海地鶏」だ。日本在来鶏種「ロードアイランドレッド」とフランス原産地鶏を配合した鶏で、オスは弾力があり、メスは脂のノリがよく、味の濃さが特徴の素材として知られる。

 その日に潰した淡海地鶏のガラと新鮮な京野菜を丸一日弱火にかけ、琥珀色の良質な出汁を作る。「鶏ガラ出汁は脂が効いた深い味わいです。だからシンプルな水炊きが看板メニューになるのです」。

 鶏は新鮮だからしゃぶしゃぶでも楽しめる。特に大き目の胸肉にしいたけ、えりんぎ、ネギ、青菜、白菜など季節の京野菜を添えて、店でブレンドしたオリジナル・ポン酢でいただく。1人前2000円で2人前から。肉の追加、特製の手ごね鶏団子は1000円などリクエストに応じる。

 

淡海地鶏の刺身盛り

淡海地鶏の刺身盛り 朝引きの「淡海地鶏」の刺身盛り。新鮮素材だから楽しめるメニューだ。その日届いた部位にもよるが、胸などメジャーなものから、数量限定厳選もも肉のたたき、メスの産卵期にしか取れない白肝などレア部位まで。しょう油に生わさびをすりおろしていただく。脂の濃い旨みが、あっさりした「みぞれ酒」と、のどの奥で重なり合う。料理と酒の旨みで一瞬時が止まるような衝撃を覚える。新鮮な鶏独特の旨みで、食欲が沸き出く。

 

旬の京野菜

旬の京野菜  素材で勝負の極みだ。かご盛りで運ばれて来た京野菜と対峙する。「どれでもお好みな調理法で仕上げます」。煮ても焼いても大丈夫。もちろんそのままでも楽しめる。

 軒先に「農家直送朝摘み京野菜料理」と掲げられた通り、伏見の山本農園から毎朝仕入れる。開店当時は大原から取り寄せていたが、伏見から声が掛かり、最初の1年半は担当者が畑に毎朝通った。そんな努力が実り、伏見の農家と強固な信頼関係を築いた。今では毎朝、特選素材を送ってもらう。土の匂いが染み込んだ新鮮な京野菜をまずは客に見てもらい、お好みの調理を加える。

 この日は路地トマト(甘い)、黄色いトマト(青臭い)、加茂茄子、シロ茄子、大根、ししとう、万願寺唐辛子が盛られ、全て1品500円。シロ茄子を「ひすい茄子」に調理してもらった。軽く油で揚げて皮をめくる。また、朝獲れの新鮮な茄子なので、塩もみして食べるのもいい。

 「化学調味料は使わない」と坂元店長。「ドレッシングも手作り。『どこまでこだわるねん』てお客さんに突っ込んでもらうのが喜びです」。若いスタッフが面白がって日々開発する「味」は限界を知らない。

名店紹介

囲涼庵(いりょうあん)

囲涼庵(いりょうあん) 店名は「鍋を囲む、涼しく楽しむ、そんな店にしたい」とのオーナーの思いから。「淡海地鶏」と「農家直送朝摘み京野菜料理」にこだわる。鶏の刺身から炭火焼きまで何を食べても新鮮だ。その一方でスタッフ陣が若いことが奏功して、鍋の創作料理など新メニュー開発に情熱を注いでいる。例えば、「くずれとまと」を生かした真夏限定商品「京とまと鍋」は健康志向の女性に人気のスタッフ発案メニュー。素材は新鮮だが、形が悪く客に出せなかった野菜を、鶏ガラ出汁で煮込み鍋料理にした。最後のチーズ雑炊まで旨いと評判だ。ほかにも桜鍋、茶鍋など季節ごとの新メニューを1年中楽しめる。(要予約)

◇住所 京都市中京区先斗町通三条下ル若松町137-7
◇電話 075・222・2223
◇営業時間 午後5時~午前0時

京食材一品料理

・生湯葉のチーズ春巻き(630円)
・京生湯葉のお刺身(735円)
・引き上げ湯葉と地鶏の生春巻(840円)
・生麩の四色味噌田楽(735円)
・揚げ豆腐 わさびあんかけ(840円)
・京あげと野菜の炒め物(840円)
・四季の漬け物盛り合わせ(945円)
・生湯葉と旬菜の天ぷら(840円)
・厚揚げオーブン焼き(735円)
・豆腐と揚げ湯葉のサラダ(840円)

京野菜料理

・京茄子の二色味噌田楽(735円)
・四季旬菜の天ぷら(840円)
・焼きしいたけ(735円)
・旬菜素揚げサラダ(840円)
・京茄子とつくねの挟み揚げ(840円)
・京野菜揚げびたし(735円)
・きゅうりの大原味噌二種添え(735円)
・青葱の天ぷら(630円)
・旬の京野菜を使った月替わりメニュー(630円より)


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