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玉乃光に合う肴

蛤(はまぐり)と筍の春の土瓶蒸し<亀甲屋>

露庵 亀甲屋ご主人 山森章弘さん 女将の眞知子さん  京都は御池、ホテルギンモンド脇道の高倉通りを下ったところに京町屋を改築した料理屋「亀甲屋」がたたずむ。ご主人の山森章弘さん(50)は20年前に脱サラしてこの道に入った経歴を持つが、実家が西陣で旅館を営んでいることもあり、幼い頃から「おばんざい」に慣れ親しんできた。

 女将の眞知子さんも生粋の都人。「もともと京都の人は京都のものを食べてきました」の言葉通り、食材も地元にこだわる。そんな京都の旬の素材を、伝統の京料理の調理技法と、遊び心満載のアイデアで、ユニークなおばんざいに仕立てる。例えば、看板メニューの「京番茶だしのもち豚しゃぶしゃぶ」(1800円)はもち豚の油っこさを京番茶が緩和して旨みを引き出すオリジナルメニューだ。

究極の肴

湯葉とホタテと筍(たけのこ)の炊き合わせ

 湯葉とホタテと筍(たけのこ)の炊き合わせ 女将の眞知子さんは京料理を「季節の旬の料理」と据える。「今は特に春らしい食材を使ったお料理が多いどす。見た目も香りもさわやかなものが好まれます」。1品目に登場したのは旬の「京筍」。京都・南部の山城のものが有名だが、こちらは「朝堀り」を錦市場から仕入れた新鮮なもの。湯葉は時期を問わず手に入る食材なので、おばんざいの定番だ。どんな料理にも合うが、他の食材と炊くと互いに旨みを生かす。ここに軽く天ぷらで揚げたホタテと、花菜(菜の花)を合わせる。山で筍が出ると、海ではホタテが取れる。これらを合わせた季節の「出合いもの」だ。あっさりした逸品で、端麗な冷酒に合う。筍のシャキシャキ感に湯葉とホタテのもっちり感が絡まる。旨みが染み出た、だし汁が極上の旨さで、全部飲み干した。750円。

蛤(はまぐり)と筍の春の土瓶蒸し

 蛤(はまぐり)と筍の春の土瓶蒸し  もう1品、春らしいおばんざいを作ってもらった。前出の筍に蛤を合わせる。平安時代には食材としてはもちろん、貝合わせの玩具としても重宝された食材だ。

 都人に愛される逸品は、例えば秋の松茸(まつたけ)と合わせて土瓶蒸しにすると旨い。その発想から、春版として完成した筍の土瓶蒸しだ。特に土瓶蒸しの出し汁は器に入っているため味つけすることができないため、事前に味つけしたものを冷まし、材料と一緒に蒸す。金時にんじん、大根、木の芽などを加え、グツグツ蒸すと、特に新鮮な筍の香りが心地よく漂う。土瓶の中いっぱいに組み入れられた京野菜の旨みに蛤から出た塩が絡まって、贅沢なだし汁ができる。

 土瓶の中の食材を食べた後、急須からだし汁を注ぐ。極上の香りと味わいには、純米吟醸が合う。950円。

炭焼きの揚げと干物5種盛り

 炭焼きの揚げと干物5種盛り 短冊切りした油揚げを、炭をくべた小型の七輪(しちりん)に掛ける。この揚げは京都・姉小路の平野商店の逸品を使う。「平野さん」と言えば、炭屋、俵屋、柊屋といった老舗旅館でも使われる京都の味。これを自分であぶって、細切りネギと醤油でいただくシンプルな肴だ。1品目に注文する常連も多く、店の定番メニューとなっている。

 続いて運ばれたのが干物5種盛り。酒好きにはたまらない庶民の肴だ。ミリンのいい臭いがプーンと辺りを包む。素材は全国の水揚げ港から旨いものを京都に集めた。タタミ鰯のミリン干しと、鰯の丸干しは静岡・焼津から。サヨリとフグのミリン干しはそれぞれ九州から。本シシャモの寒干しは北海道から取り寄せる。自分で焼いて飲むのが何とも楽しいが、季節の素材そのものの旨さを味わえ、どんな酒にも合うある意味「究極の肴」かもしれない。

 七輪は注文を受けてから火を起こす。少なくとも1時間は楽しめるので、好みに応じて空豆や筍など注文できる。お揚げ450円、3種1500円、5種1570円。

名店紹介

亀甲屋

亀甲屋 京町屋で本格的なおばんざいが食せることが、ネットの口コミなどで広まってから予約必至の店となった。安く落ち着いて飲めるため、女性グループも目立つ。営業は午後5時30分から。昼は日曜のみ営業、11時30分からでデザート付きの限定ランチ(1500円)の完売まで。30席。不定休だが、年末年始は通常12月31~1月4日が休み。

◇京都市中京区高倉通御池下ル東側◇075・221・1270
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kikkoya/index.html

京散歩

新風館

新風館 亀甲屋の西側、烏丸御池に01年1月登場した情報発信型商業スポット。「今も昔も最先端」をキーワードに京都のファッショントレンドの中心となり、特に20、30代の高い支持を受ける。電電公社時代の京都中央電話局の局舎を改築、3階吹き抜けの開放的な空間で、1階の円形シアターでは様々なイベントが行われている。

おすすめの酒

純米吟醸 超特撰 祝100%

純米大吟醸 こころの京 2008年は「源氏物語千年紀」。節目を記念して発売された「純米吟醸 超特撰 祝100%」は淡麗な味と独特の芳香が特徴の日本酒。京都産酒米「祝」は山田錦の原種と伝えられる「山田穂」から昭和8年に開発された最高級種で、戦後なくなったが、近年、府内の農家と行政の協力で復活した。この「祝」を100%使用した贅沢な1本に、平安貴族文化をしのばせる源氏物語絵巻(徳川美術館所蔵)を題材としたラベルを巻いた。


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