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玉乃光に合う肴

琵琶湖産・天然大鰻の骨酒<祇園 宮川町 水源亭>

「祇園 宮川町 水源亭」 井上一晃店主  軍鶏(しゃも)といえば、池波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」にも「本所二ツ目の軍鶏鍋屋」が登場する江戸時代のメジャーな食事として知られる。角界の力士も勝負事の前に手が付かないように2本足の軍鶏を食べ、坂本龍馬や幕末の志士達も縁起ものとして好んで食した。今でも毎年、京都・霊山護国神社の「龍馬墓前祭」で「軍鶏すき」が振舞われている。しかし、洛中で繁盛した軍鶏料理店も江戸遷都とともに京都を離れた。

 そんな京都古来の文化を取り戻そうと、「水源亭」の井上一晃店主(33)が祇園伝統の花街・宮川町に店を構えた。ホテルで働いた後、先斗町を中心に洛内の飲食店をプロデュース。さらに自分のこだわりを徹底させるため、自ら出店、厨房に立ち料理を作ることを決意した。「いかに粋か、いかに格好良いか。そして『山辺の幸』をどう演出するか」。自問自答を繰り返しながら、辿り着いた形、それが「水源亭」だ。  四条から鴨川沿いを下って、川端通りの1本東の筋、歌舞練場の並びに「京町家と和モダンの融合空間」はある。1階は白木のカウンター、2階は1日2室2組限定の完全個室のお座敷。粋な雰囲気の中、復刻された「軍鶏すき焼き」を待った。

 

究極の肴

名物 近江軍鶏(しゃも)のすき焼き

 名物 近江軍鶏(しゃも)のすき焼き 軍鶏のすき焼きは予約時に、客自らが東京軍鶏か近江軍鶏かを選ぶ。その上で雌鶏か雄鶏かも選ぶ。東京しゃもと近江しゃもでは交配種が異なるが、一般的に東京軍鶏は赤身が濃いと言われる。味は好みの問題だが、京都という場所柄、近江軍鶏の鮮度が高いことは言うまでもない。産まれて100日から110日頃の鶏のキンカン(卵巣、卵管)が微妙な味わいも出て旨いとされるが、白子など部位を含め鶏の全てをいただく。8人で1羽が目安だそうだ。

 雌鶏より雄鶏の方が筋肉が多く、歯ごたえがある。一方、雌鶏も老女鶏(ひねどり)を使う。すでに卵を産めなくなった鶏なので、栄養分が肉に吸収されるため旨い。しっかりとした歯ごたえと噛めば噛むほど旨みが広がる。

 近江といえば淡海地鶏が有名だが、元々地鶏の原点は軍鶏だ。闘鶏として中国から日本に伝わったというルーツを持つ。近江軍鶏は予約日の朝に、店主自らが鶏を捕りに滋賀の川中氏の養鶏場へ。刺身としても十分な新鮮な絞めたての鶏を「すき焼き」として楽しむことができる。何とも贅沢な名物料理だ。

 軍鶏すき焼きコースを4人以上でコース予約特すると、玉乃光『みぞれ酒』がサービスされる。「純米酒はカンしても崩れない強い骨格。そこで勝負する玉乃光を支持する」と井上店主。口当たりも良く客にも好評だと重宝される。

琵琶湖産・天然大鰻の骨酒

 琵琶湖産・天然大うなぎの骨酒 燗酒に点火されると青い炎が美しい。骨酒が煮切る手前、絶妙のタイミングでいただく。滋賀県の郷土料理の「鰻(うなぎ)のすき焼き」は「じゅんじゅん」とも呼ばれ、江戸時代から続く、もてなしの料理だ。「食育」も重視する店主が、「伝統の味」を知ってもらいたいとメニューに取り入れた。この「じゅんじゅん」にも使用する天然大鰻の白焼きを骨ごと玉乃光の純米酒に浸した。鰻の旨味と脂が出きった骨酒は、見た目も、味も満足の一杯だ。「懐石にない新しい日本料理を創りたい」と話す井上氏。お酒として飲んだ後、中身の具を楽しむ。単品1580円。

琵琶湖産・天然大鰻の白焼き、骨せんべい、肝の炭焼き

琵琶湖産・天然大うなぎの白焼き、骨せんべい、肝の炭焼き 見た目も美しい天然大鰻のアラカルト。「白焼き」は素材そのものの風味が強いため、鮮度が旨さの決め手となる。純米酒のすっきりした飲み口と絶妙に絡まる粋な逸品だ。「骨せんべい」は、骨を食べやすい大きさにそろえてカットして、さっと油で揚げた。骨は頭部に近づくほど太く硬いが、どれもパリポリと食べやすい。カルシウム満点で、もちろん酒の肴にピッタリ。「肝の炭焼き」は炭のにがみが酒に合う。鶏肉のあっさりした感じではなく、鰻の深みのある後味がちょうどいい。さらにビタミンA、Eが豊富に含まれるなど体にも優しい。単品2100円。

花街の紹介筋

 井上店主の引き出しの多さと人脈を生かし、様々な試みを行う。例えば、宮川町という後見を持つこの場所ではお茶屋の紹介筋としても機能する。「京都の文化をゆっくり楽しんでいただきたい。4~5時間過ごして頂いてもかまいません」。個室を1日2室2組限定にするのは、「筋元の顔を潰さぬように。お客様を守る」というこの街の文化から。「一見さん」でも舞妓を呼ぶことができる。花街の存在意義を発信する。

生産者と直接取り引き

狩り 「産地直送の安心・安全食材、鯖街道の食材」をコンセプトに、毎朝店主自ら生産者生産者まで直接取りに行く。その日の献立を決めるため、一部メニューは流動的だ。だが、季節ごとの旬を味わえる。たとえば朽木の猟師松原氏が獲った野生鹿肉の鹿しゃぶや、熊・猪肉、福井・小浜の干物にイワナ、アマゴ、アユなど朽木の渓流魚、新鮮なはちみつがたっぷり詰まったはちの巣の塊をデザートにするなど、天然素材の旨さを生かした創作メニューが楽しい。

 また、こだわりの世界の塩が120種類超用意されているが、「食材にワクワクしてもらいたい」という井上店主の配慮から。

ランチもお得

 予約限定のランチがお得だ。2人以上の予約のみ受け付ける。例えば、「近江軍鶏(しゃも)と秋のきのこのすき焼きコース」(4200円)、「すっぽんの丸鍋コース」(7400円)、「近江軍鶏 有精卵の玉子かけご飯膳」(840円)「すき焼きと丸鍋のコース」には京都・山中油店のレモン油アイスも付く。また全ランチコースにプラス210円で食後のコーヒーも付く。

 また、予約して誕生日に店を利用すると、オリジナル「誕生石のカクテル」飲み放題とバースデーケーキのサービスを受けることができる。また、「大切なあの人に手紙を渡しませんか?」と銘打った企画など、バラエティーに富むサービスが楽しい。

名店紹介

祇園 宮川町 水源亭

祇園 宮川町 水源亭◇住所 〒605-0801 京都市東山区団栗通宮川筋入ル一筋目越え六軒目東側
◇電話 075・561・2800
◇営業時間 11:00~17:00(完全予約制)18:00~03:00(LO 02:00)
◇定休日 無休
※お昼の営業は2人以上で完全予約制。前日までに電話で予約を。http://r.gnavi.co.jp/c709100/

おすすめの酒

純米吟醸 祝

純米吟醸 祝 「祝」は昭和8年京都府立農業試験場で「野条穂」の純系分離によって生まれた吟醸酒向きの良質酒米だ。稲の背が高く倒れやすいことで昭和49年以降、姿を消していたが、伏見酒造組合の働きかけによって京都府立農業総合研究所などで栽培法を改良、平成4年には約20年ぶりに伏見で「祝」の酒が復活した。

 この京都産「祝」を麹米、かけ米それぞれ100%用いた純米吟醸酒は淡麗な味と独特の芳香が特徴的。


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