<男子ゴルフ:三菱ダイヤモンド杯>◇初日◇28日◇茨城・大洗GC(7190ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)
石川遼(17=パナソニック)が歴史的な「ミラクルイーグル」を奪った。3番パー4(407ヤード)で、松林の中から残り110ヤードの第2打を直接カップに入れた。雨で足場も悪い中、枝と枝の約1メートル四方の空間を通す神業。運もあるとはいえ、ショットの精度の高さを証明した。これで勢いに乗り、同組の片山晋呉(36)を1打上回る2アンダーの70で首位と4打差の15位につけた。金庚泰(22)広田悟(35)が6アンダーでトップに立った。
奇跡が起きた。3番パー4。残り110ヤードの松林の中から、アプローチウエッジで放たれた石川の第2打は、約1メートル四方の枝のすき間を抜け、グリーンに向かう。雨空のなか、ピンの30センチ手前でワンバウンドして直接カップイン。ギャラリーの大歓声でイーグルを知った石川は、跳び上がってガッツポーズをみせた。
左に曲がった第1打は、高さ約15メートルの松林に入り込んだ。雨にぬれた松の葉で足場も不安定。最悪の状況だったが、横のフェアウエーに出す選択肢はなかった。林のすき間から見えるピンの真上に、わずか1メートル四方の枝の空間を見つけると「何としても(球を)通す。気合でした」と木、枝に当たらないことだけを考え、直接狙った。
ギャンブルだったが、頭の中は冷静だった。ショットの精度を高めるため、コンパクトなスイングを心掛けた。「フェースを少し立てることで、フェースとボールの間に松の葉など、無駄なものが入らないようにと。クラブの先から頭のてっぺんまでやりたいことが一致した」。強運の裏には、日々の猛練習で培った技術、精神力があった。
林の中からカップインは「生まれて初めて。びっくりした」と振り返る。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の遠藤誠ツアーディレクターも「自分の知る限り、聞いたことはない」と驚き、「いつも振り切るからトラブルショットも多いが、そこからスーパーショットも生まれる。青木功、尾崎将司、ウッズと同じ魅力がある」と続けた。
石川は「ミラクルイーグル」で同組の片山を逆転。日本屈指の難コースで、片山に1打差をつけた2アンダーでホールアウトした。それでも、「4日分どころか、1年分の運をもらった。今日は5打くらい得をしている。貯金を吐き出しやすいコースだし、明日は1ホール目から気を抜かずにプレーします」と、奇跡が続かないことも、しっかり自覚していた。【田口潤】

