<男子ゴルフ:サン・クロレラクラシック>◇初日◇30日◇北海道・小樽CC(7535ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼(17=パナソニック)が「仮想全米プロ」の舞台で首位発進した。距離のある洋芝の難コースで、ツアー自己ベストタイの65をマーク。それも日本ツアー通算134ラウンド目で初めて18ホールをノーボギーで回った。8番パー4では攻める姿勢を貫きながらも、ボギーピンチをしのぐなど、メジャーに向けて理想的なゴルフを展開。全米プロ選手権(8月13日開幕、米ヘーゼルティン・ナショナルGC)に弾みをつける今季2勝目へ、絶好のスタートを切った。

 晴れ渡った北の大地で、石川が魅せた。「仮想全米プロ」と見立てた名門・小樽CCは、米国と同じ粘る洋芝で、今季ツアー最長の全長7535ヤードの設定。その中で1イーグル、5バーディー、ノーボギーの65をたたき出して単独首位発進だ。「これ以上ない、会心のゴルフ。初日から優勝争いのつもりだった」と気迫のプレーを振り返った。

 ツアー自己初のノーボギーは、安全策によるものではない。むしろピンチでも攻めた。象徴的だったのが8番パー4。フェアウエー中央に大木があるホールだが刻まず、ドライバーを握った。その大木の前に球が落ちても、低く出して花道狙いという選択ではない。「木の中にすき間があった」。わずかな枝の間からピンを狙った。これがグリーンオーバー、さらに第3打をショートさせてもめげない。残り10ヤードの左ラフから強めにサンドウエッジを打ち込み、チップインパーにまとめてしまった。

 勢いに乗って続く9番パー5では、2オン1パットでイーグルを奪った。

 もともと攻撃ゴルフが持ち味で、連続バーディーなど爆発力と、大たたきの危険性が背中合わせのタイプだ。マスターズと全英オープンでも、バーディーは奪うが、ボギーピンチを切り抜けられず、予選落ちした。メジャーでは、攻めつつもボギーを減らさなければ、勝負にならない。この日は理想的な戦い方だった。「グリーンに乗っても外しても、気持ちは変化しない。(ボギーピンチでも)『これを入れればパー』と思える」。アプローチの特訓が自信につながり、昨年3日目にプロ転向後ワーストの82をたたいたコースにリベンジした。

 なんといっても、ドライバーの安定感が大きい。この日、フェアウエーを外したのは2ホールだけ。軸のぶれないスイングは仲田健トレーナー(40)との「瞑想(めいそう)トレ」の成果だ。目をつむったままのスクワット、腹筋など50種類以上のメニューを繰り返すことで、筋力と同時に感覚神経を強化。目を閉じても狂わないバランス感覚を養い、スイングの軸も簡単にはぶれなくなった。

 昨年、初日1けた順位の4試合は、すべて最終順位5位以内。今年も7位発進の6月のミズノよみうりで優勝した。「明日は今日のスコアをすっかり忘れて、リセットします。初日だけ良かったと言われないよう、1日1日、一番上でフィニッシュしたい」。今季最後のメジャー全米プロへ、今季2勝目を引っ提げて、乗り込むつもりだ。【田口潤】