17日に18歳の誕生日を迎える石川遼(パナソニック)が、CMの歴史も変えた。スポンサー契約を結ぶ第一三共ヘルスケアの総合かぜ薬「ルル」の第20代イメージキャラクターに起用されることが16日、発表された。同CMでは1951年(昭26)年から伝統的に有名女優が起用されており、男性キャラクターは初めて。この日は、17日開幕のANAオープン(北海道・札幌GC輪厚C)のプロアマ戦に参加した。

 18歳になる石川が、自分の年齢の3倍以上も続くCMに、男性として初出演することになった。「いつもそこにある家族のように、温かいルルの世界を表現できたら」と石川。ゴルフでは07年マンシングウェアKSB杯での最年少優勝(15歳8カ月)など数々の記録を打ち立ててきたが、その人気とさわやかなイメージで、プレー外でも伝統を覆した。

 「ルル」のCMでキャラクターを務めたのは過去19人。「家族みんなの常備薬」をコンセプトとするため、安心感、やさしさ、老若男女幅広い世代からの支持を重視し、すべて女優を起用してきた。51年に店頭ポスターなどで起用された渡辺典子から始まり、最新版の04年からは木村佳乃が起用された。58年の歴史で初の男性起用について、第一三共ヘルスケア経営企画部の森上智行さん(34)は「実力もさることながら、年齢・性別を問わず愛されるパーソナリティーが大きかった」と説明した。

 19日から放送されるCMでは、地上250メートルにある東京タワー展望台のさらに上から、ブレザー姿の石川が宣誓。中学時代に体育委員長を務め「体育祭で叫びまくっていた」という声量を生かし「家族のかぜの熱にも、のどにも、鼻にも、ルルが全力を尽くすことを誓います!」と声を張り上げている。

 8月フジサンケイクラシックで今季3勝目を挙げ、賞金ランク首位に浮上した。さらに10月プレジデント杯、来年1月ロイヤル・トロフィー、同7月全英オープンの出場も決めた驚異の17歳は、18歳になってさらにその勢いが増していきそうだ。【阿部健吾】