ゴルファー日本一を決める日本オープン選手権は15日、埼玉・武蔵CC豊岡C(7083ヤード、パー72)で開幕する。開幕前日の14日は練習ラウンドが行われた。賞金王争いでトップに立つ石川遼(18=パナソニック)は、高速の砲台グリーンを警戒し、練習もしていないという「残り60~70ヤードからのロブショット」で、初の日本一に挑む。石川と約200万円差の賞金ランク2位で前週優勝の池田勇太(23)、2連覇を狙う同3位の片山晋呉(36)らも最終調整した。
国内最高峰の舞台での池田、片山との「3強対決」について聞かれた石川の言葉には、自然と熱がこもった。「追われているということをマイナスに考えたことはない。プラスにしか考えていない。今週も頑張ろうと思わせてくれるのが賞金ランクです」。池田は前週のキヤノンオープンで優勝、片山は連覇をにらみ若手の勢いを止めると意気込む。その状況を楽しむように、堂々としていた。
「片山さん、池田さんにとっても油断ができない」と警戒するコースで、練習もしたことがないという“新技”を使う決断をした。「サンドウエッジ(SW)を使う、残り60~70ヤードからのロブショット」。本来のロブショットは20ヤード以内程度のグリーン周りから高く上げて、グリーン上でピンポイントに止める球を指すが、「距離が短いパー4も多く、ドライバーで打つとその距離が残る。グリーンは砲台でこぼれやすい」と分析する石川は、60~70ヤードの距離でも「ロブショット」を使っていくという。
一昨年は中嶋常幸と同組で「粘り強さ」を学び、昨年は「全ホールドライバー」を貫いて2位に入り、自信を得た。「(コースは平たんで)狙ったところに打っていけば、アンラッキーやイレギュラーはない。昨年よりも打っていくかいがある」と、今年もドライバーで攻めるつもりだが、その理由は「短いホールでSWを使いたいから」。日本一決定戦で、今年も新たな収穫を得ようとしている。
“新技”に挑戦しようという気概を支えるのは、培ってきた自信だ。「昨年はいつの間にか上位にいて不思議だったが、それから日本オープン並みの(マスターズ開催コースの)オーガスタなども経験してきた」。先週のプレジデンツ杯では、世界6位のケニー・ペリーにシングルスで勝ち「大きな経験になった」。同じ大会でも1年間で見える“風景”は変わっていた。
「3強対決」も、難しいコースセッティングも、今の石川にとっては不安よりも期待が上回る。「楽しみにしてきた。今年もテストされるつもりで挑んでいきたい」。胸躍らせる姿に、初の日本一の予感が漂った。【阿部健吾】

