【メルボルン(オーストラリア)15日=塩畑大輔】石川遼(20=パナソニック)が「18時間フライト」を乗り越え、主将ノーマンの期待に応える活躍をみせる。世界選抜対米国選抜の2年に1度の対抗戦、プレジデンツ杯(17日開幕=オーストラリア・メルボルン)に向けて現地入り。予定していた移動便の欠航の影響で、フライト時間が大幅に延び、到着も遅れた。だが自ら「今までで一番きついかも」と話す試練を乗り越え、タフさでも世界トップクラスに肩を並べるつもりだ。

 予想外の大移動になった。オーストラリア東部標準時、15日午後2時半(日本時間同0時半)すぎ。メルボルン国際空港で姿を見せた石川は「今までで一番きついかも」と苦笑いした。日本を14日午後7時前にたってから香港、アデレードと経由し、すでに18時間近くが経過していた。体を動かしたい盛りの若い石川だけに、長時間のフライトは苦行だった。

 当初はシドニーに真っすぐ向かい、メルボルン行きに乗る、ほぼ最短ルートが準備されていた。こちらのコースなら、乗り換え1回で15時間。だがこの便が直前で欠航により、急きょ迂回(うかい)ルートを取ることになった。同行スタッフの素早い対応で、大きな遅れにはならなかったが、乗り換え2回、18時間の大移動になった。

 それでも石川は「まあよくあることですから。練習ラウンドはできないけど、ストレッチやホテルの部屋での素振りはしたい」とすぐに気持ちを切り替えた。石川の遅延を伝え聞いた世界選抜チームのノーマンもこの日の公式会見で「彼は若いから、時差ボケや夜を徹したフライトの疲れを乗り切って、いいプレーをしてくれるはず。コースの情報も明日だけで頭に入れてくれると思う」と太鼓判を押した。

 来年は人生の目標である「20歳のマスターズ優勝」をはじめ、海外メジャーでこれまで以上の成績を目指す。再来年の米ツアー進出も見据えるだけに、置き土産の日本ツアー賞金王も並行して狙わなければならない。日本と欧米をまたにかけた活躍の「予行演習」とばかりに、石川が超長距離移動を克服しての活躍を目指す。