石川遼(20=パナソニック)が、ナイキとカジュアルウエア提供の契約を結ぶことが2日、明らかになった。近日中に正式発表される。試合で使うゴルフウエアではなく、会場への移動時や、テニスやフットサルを含めたトレーニング時などに着るウエアが対象。コース外でも露出が多い、石川ならではの契約になる。

 関係者によると、ナイキ米国本社は「何としても石川と契約を」と大号令。若くして世界の選手と互角に渡り合う実力と、オリコン調査の「好きなスポーツ選手ランク」でイチローに次ぐ2位に入るなどの、幅広い層からの根強い人気を重視。世界戦略のキーマンとして期待している。

 今季は石川とヨネックスとの総合契約が切れる年でもある。ナイキは今回の契約を皮切りにクラブ、ゴルフウエアなどの契約も目指す。スタッフ常時同行などの手厚いケアで信頼を勝ち得て、再契約へ向け優位に立つヨネックスに対し、世界のスターを総動員する作戦で巻き返しをはかる。

 米国本社が世界中に指令を飛ばし、石川をナイキに誘うビデオレターを、有力契約選手から収集中。日本人では、サッカー日本代表DF長友が石川勧誘の「切り札」に指名された。所属のインテルミラノに「至急ビデオを撮ってほしい」旨の依頼が届き、すでにメッセージは米国に届いている。

 ジュニア時代からサポートを受けるヨネックスに強い恩義を感じる石川だが、憧れのウッズが契約するナイキへの思いも特別。米ツアー会場では「さすがナイキの契約選手」という言い回しで選手を称賛することもある。争奪戦は今回の契約をきっかけに、さらに過熱するとみられる。