<男子ゴルフ:韓国オープン>◇2日目◇19日◇韓国・牛汀ヒルズCC(7225ヤード、パー71)◇賞金総額10億ウォン(約7330万円)◇優勝賞金3億ウォン(約2199万円)

 海外初優勝を目指す石川遼(21=パナソニック)が何とか追撃ムードを演出した。4オーバー41位で出ると、前半8番でイーグルを奪取して一時は10位以内に浮上。しかし後半に失速し、1イーグル、1バーディー、4ボギーの72で通算5オーバー22位とした。5アンダーで首位を守った姜庚男(韓国)と10打差に広がったが、残り2日間でV争いに絡める手応えを得た。また韓国ゴルフ協会から来年以降の継続出場を期待された。

 女性中心の韓国ギャラリーを魅了した。前半8番パー5。石川はフェアウエーから残り230ヤード地点の第2打を5番ウッドで振り抜いた。ピン左上に2オンし、イーグルパットは約15メートル。「2メートルぐらいはスライスで曲がる」(石川)という難しいパットを沈めた。黄色い大歓声と拍手に包まれ、右手でガッツポーズをつくって応えた。

 前半終了時点で41位から8位まで浮上した。V争いもみえてきた直後から「1つのミスがボギーになる感じだった」(石川)。13番で約2・5メートルのパットを外し、16番では3メートルのパーパットがわずかに右に。続く17番では第1打がカート道まで転がってテレビ配線に挟まった。無罰打で隣ホール付近にドロップ。看板と林を抜ける好ショットで2オンに成功したが、3パットでボギー。苦しみつつも「少しずつつかんでいる。もう1回、攻めるつもり」と、ピン位置が難しい韓国流コース設定を攻略する糸口をつかんだ様子だった。

 何とか踏みとどまって追撃ムードを演出した石川には数多くのギャラリーがついた。韓国協会のキム・トンウク副会長(67)は「石川選手は非常に人気がある。来年以降も出てほしい」と強く要望した。韓国のギャラリーや協会の期待を肌で感じる石川はV争いを強く意識。首位とは7打差から10打差に広がったが「明日はパープレーに近づけ、最終日にアンダーパーで回るプランなら優勝できる」と海外初Vのイメージを膨らませた。【天安(韓国)=藤中栄二】