今季メジャー第4戦が開幕。38歳のベテラン大山志保(大和ハウス工業)が4アンダー、68と好発進した。8番まで2ボギーが先行したが、9番以降に4バーディー、17番パー5でイーグルを奪い巻き返した。5位と躍進した3週前の全米女子オープンに続き、再びV争いに挑む。

 大山は調子に乗ったら、止まらない。457ヤードの17番パー5。追い風に乗り、ランも出て、ドライバーショットは300ヤード近く飛んだ。第2打は残り158ヤード。8番アイアンで楽々2オン、7メートルのイーグルパットを決めた。「まさか入るとは…。『(2パットで)バーディーだ』と思って簡単に打ったら、入ってビックリしました」。8番終了時の2オーバーから巻き返し、4アンダーへ。5位だった全米女子オープンでも連発したガッツポーズが、何度も飛び出した。

 親子で雪辱だ。全英はメジャーで自己最多4度出場しているが、予選落ちが昨年を含めて3度。来夏のリオデジャネイロ五輪出場が大目標だから、メジャーで世界ランクのポイントを稼ぎたい。今大会出場資格は「サントリーレディース終了時点(6月14日)の賞金ランク上位5人」。大山は同ランク12位だったが、同2位テレサ・ルーが昨季最終戦優勝の資格で除外され、イ・ボミ、菊地絵理香ら6人の辞退者が出て、最後の1席に滑り込んだ。

 父晃さん(75)は全米で娘の海外競技を初観戦したが、本当なら昨年の今大会が“海外デビュー戦”だった。ところが…。出発3日前にパスポート紛失が発覚。「金庫に入れてあったはず」と一家総出、徹夜の家捜しも実らず、渡英を断念した。「この世の終わりみたいに」(大山)落ち込んだ。パスポート再発行の手続きをとった。

 ホールアウト時点でトップの6アンダーと2打差は、申し分ない。「今日はショットが良かった。初日の4アンダーは上出来。100点満点です」。全米の上を狙う戦いが始まった。