カシオとの所属契約更新を前日25日に発表したホストプロの石川遼(24=CASIO)が、4アンダー68で首位に1打差の2位と好発進した。アイアンショットはいまひとつながら、アプローチでしのぎ、後半は長いパットも決まって4バーディー、ノーボギー。今大会は弟航(わたる)くん(15)をキャディーに起用し、スコアメークのお手本を示した形だ。

 前半の石川はグリーン周りの小技が光った。イン10番スタートで14番は左からOKに寄せてパーセーブ。15番はギャラリーに打ち込みながらロブで2メートルに、17番ではバンカーから50センチにつけてパーを重ねた。18番パー5は第2打でドライバーを使ってグリーン手前まで運び、ピンまで30ヤードをランを使って1メートル弱へ。これを沈めて初バーディーを奪うと、航くんと小さくグータッチした。

 「アイアンが悪くてもしのいでリズムをつくっていく。リカバリーのゴルフが僕の原点」と胸を張った。この粘りが好スコアを呼び込む。後半2番で20メートル、6番で6メートル、8番はカラーから16メートルをパターで入れた。「イメージ通り迷いなく打てている」と納得顔だ。

 弟に「こうやって打つから見てて、と背中で伝えられれば」の思いでプレーしている。航くんはまだ飛距離がなく、小技勝負になる場面があり、兄を見て学びたい「そういう視線を感じている」。その中で格好のお手本を見せた形だ。

 アマでツアー初優勝した時、バンカーから直接カップインさせたことを振り返った。航くんは当時の石川と同じ15歳。「ゴルフの実力的にはまだまだ」と言った後、「ゆっくり大きくなってくれれば」と兄の顔になる。そのためにも勝ち方を目の前で教えてあげたいところだ。【岡田美奈】