今年から三島・グランフィールズCCで開催される日本女子ツアーのサイバーエージェントレディース(29日~5月1日)で、5番(パー5)が同ツアー史上最長の603ヤードに設定された。

 女子プロゴルファーの成田美寿々(23=オンワードホールディングス)が、26日の練習ラウンドで舌を巻く長さ。全体的に難しいコースセッティングで、成田を指導する井上透コーチ(43)も「メジャー大会級」と分析した。

 日本女子ツアー史上初の600ヤード台のホールが“誕生”した。過去最長は、11年10月開催のSANKYOレディースで群馬・吉井CCが設定した4番パー5(595ヤード)。今回の5番パー5(603ヤード)は8ヤード更新となる。この日、同コースで練習ラウンドした成田は打ち降ろしの5番で、フォローの風が吹く中、第1打を270ヤード、第2打を3番ウッドで残り100ヤードまで運んだが、渋い顔をして言った。

 成田 このホール、ただ長いだけじゃないです。フェアウエーで平らな所が少なく、第2打で3番ウッドが使えない可能性もある。となると第3打で150ヤード以上残るし、グリーンも硬くて速い。やっかいです。

 成田の言う通り、フェアウェー、グリーンが起伏に富んでおり、ショット、パットの両方に高い技術と正確性が求められる。

 17番パー3(163ヤード)は、高低差約2・5メートルの超2段グリーンだ。ピンが切られている段(上下)を外せば、パーセーブは至難。芝目は上からの順目で、グリーン外から弱めにアプローチをしても下の段に転がり落ちる。ダブルボギーの可能性もあり、プロは口々に「ボギーなら御の字」。最終日、ドラマが起きるかもしれない。

 成田とともに18ホールをチェックした井上コーチも難易度の高さを証言した。

 井上コーチ 間違いなくメジャー大会級の難しさです。簡単なホールが1つもない。初日から大半がオーバーパーで、アンダーが5人ぐらいになるでしょう。

 大会プロデューサーの佐草伸吾氏も「総距離(6562ヤード)も長いし、優勝スコアは2桁アンダーに届かないでしょう」。難設定については「選手強化の狙いがあります。このコースで、世界を意識してプレーしてほしいですね」と説明した。

 今季の日本女子ツアーは全38大会(熊本地震で1大会中止)中、最多の5大会が静岡県内開催となった。既に2大会実施され、前週も伊東・川奈ホテルGCでフジサンケイレディースが開かれた。昨季まで千葉・鶴舞CCで行われていたサイバーエージェントレディースがグランフィールズCCで29日から開幕。関係者によると、地元三島市も大歓迎でボランティア参加の市民が多数いるという。熱海市出身の渡辺彩香(22)も同コース近くの練習場をホームにしており、なじみがある。【柳田通斉】