次の目標はメジャー制覇、そして金メダルだ。前週のスインギング・スカーツ・クラシックで、米女子ツアー2勝目を挙げた野村敏京(23)が28日、都内で取材に応じ、ビッグタイトルへの自信を明かした。今季の飛躍の鍵はメンタル面にあったという。世界ランク23位とリオデジャネイロ五輪に大きく近づき、一時帰国中のこの日は、五輪代表候補として都内でメディカルチェックなどを受け、気持ちを高めていた。

 野村は無邪気な笑顔を見せつつも、自信に満ちていた。次の目標を「メジャーで優勝すること」と言い、そのための課題を尋ねられると「このままでいいと思う」と即答。自信についても「あります」と言い切った。リオ五輪は「みんな同じ。試合に出るのは優勝するため。五輪に出られたら金メダルを取れるよう頑張ります」と頂点を狙う。

 昨年との違いは精神面にあるとした。「プロならば実力はほぼ一緒。技術的には変わらない。マインドコントロールできる人が強いと思う」。昨年までの野村はボギーを打つと「なんでバーディーよりボギーが多いの?」と悔しがった。今は「私も人だからミスをする。次にバーディーを取ればいい」と前向きに受け止められる。「強くなったというより、ゴルフを楽しんでいる」と表現した。

 11年に日本の中京テレビ・ブリヂストン・レディースで勝った際は「なりふり構わず、無我夢中で」の勝利。それが今年2月ISPSハンダ・オーストラリア女子で米ツアー初優勝し、「勝ち方がわかった。70%はメンタル」と気づいたという。

 そのせいか、練習量は少なく「食べてばかりで太っちゃった」。カレーなど辛いものも、チョコレートなど甘いものも大好き。ハワイを拠点とし、今年から趣味としてサーフィンも始めた。一方で日本を離れていても熊本地震に心を痛め、マネジメント事務所を通じて義援金を寄付する。

 昨年末には世界ランク79位で日本女子9番手。20年東京五輪を目標にしていたが、今年の大躍進でリオへの切符を手元まで引き寄せた。前日に帰国、この日に五輪のためのメディカルチェックや採寸、クラブ契約交渉中のヤマハなどに寄って、今日29日には米国にとんぼ返りだ。次週ヨコハマタイヤ・レディースから夢に向けて、ノンストップの戦いを再開する。【岡田美奈】

 ◆リオ五輪のゴルフ 各国、地域とも7月11日時点の世界ランク上位2人が出場権を得る。同15位以内なら同国3、4番手でも出場枠に入る。16位以下だけなら上位2人。女子の試合は8月17日に開幕する。