片岡大育(だいすけ、27=Kochi黒潮CC)がプレーオフで敗れて2位となり、ホールアウト後に号泣した。

 ツアー2勝目へ単独首位からスタート。9番でグリーン左のバンカーからチップインバーディーを決めるなど、1打差の2位で折り返した。13番で同組の金庚泰(29=韓国)がボギーをたたいてトップに並ぶと、15番ではグリーン奥のラフ、左足下がりの難しいアプローチをねじ込んでチップインバーディー。金も「うまかった。『あそこからは寄らない、絶対ボギーだ』と思っていた。入った瞬間、笑ってしまった」と言うほど、完璧なショットだった。一気に流れを引き寄せ、16番でも第2打を1・5メートルにつけて連続バーディーを奪った。

 しかし、2打差をつけて迎えた17番パー3でどん底にたたき落とされた。「左がダメなのは分かっていた。ピンは狙わず、右の手前を意識して」7番アイアンを振り抜いたが、ボールはグリーン左に大きく外れてカート道まで転がった。「左に出る悪い癖が、最後に出てしまった。クラブがかぶってしまった」。3オン2パットのダブルボギーが精いっぱい。通算10アンダーで金と並んでプレーオフとなり、1メートルのパーパットを外して敗れた。

 グリーン上は笑顔で勝者をたたえたが、テレビインタビューでは「悔しいですね…」としぼり出した後が続かない。1度別室に引き揚げ、気持ちを整理しなければ話せないほど、ショックの色は濃かった。「勝つ流れだったのに、自滅してしまった」。それでも、最後は必死に顔を上げた。「勝負どころのパット、悪くなった時の修正能力…。もっと技術を磨かないといけない。しっかり練習して、頑張ります」。次戦は昨年初優勝を飾った関西オープン(19日開幕、和歌山・橋本CC)。悔しさを糧に連覇を狙う。