畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)が、鮮やかな逆転劇で2大会連続優勝を果たした。このカテゴリーでの日本人選手の2連覇は初。小倉ひまわりと組んだ団体戦(非公式)でも優勝し、2年連続2冠も達成した。

 「4打差あったので、今日のベストスコアぐらいを出さないと届かないと思った」とスタートしたが、首位のサソ(フィリピン)が6番までに6オーバーと崩れたため、4番で1つ伸ばしていた畑岡が難なく首位に立った。

 「正直、調子は今いちだったんです。スイングが安定していなかった」というように、ガツンと飛ばして、ビタッとつけて入れるという畑岡らしさをあまり出せなかった。13番では3番ウッドで刻もうとして左の林の入り口に行き、2打目もバンカーに入れてボギー。この時点で浮上してきた河本結に1打差、サソに2打差に迫られた。16番で2メートルの「下りのスライスラインが入った」と、通算3アンダーに戻し、18番でバンカーに入れてボギーにしたもののこの日はパープレーで逃げ切った。ただ1人、通算アンダーパーだった。

 日本代表のチームメートからは「同じコースの2連覇なら得意なコースと思うけど、まったく違うコースはすごい」と称賛された。飛距離が必要なトーリー・パインズGCノースCと、「ドライバーは10回ぐらいしか使わなかった」という、正確性を求められる今回のコースでの連覇は価値がある。ウイニングパットを決めると、6人のチームメートがペットボトルで「ウオーター・シャワー」を浴びせて祝福。ずぶぬれになったが「連覇できてよかった。この大会は今回が最後だったので」と笑顔を見せた。

 6月の日本女子アマでは最終日3打差2位から5番まで3つ伸ばして逆転ムードだったが「6番で簡単に3パットして流れを止めた」と教訓を得た。今回は「逆転優勝ですけど、自分が伸ばした優勝ではなかった。世界アマとか上の大会では勝てない。最終日にギアを上げるにはどうしたらいいのか、自分でもまだ分からないんです」と、もう1つ課題が残った。

 表彰式では、昨年優勝と同じく「副賞」として来年4月予定の米女子ツアー「スウィンギングスカートLPGAクラシック」への出場権をプレゼントされ、自分で手をたたいて喜んだ。今後はまず「世界アマの日本代表としていい成績を残したい」という。高校最後の年。来年は世界大会での活躍を支えに「プロ」への道に進んでいくことになりそうだ。