プロ6年目の香妻琴乃(24=サマンサタバサ)がツアー初優勝へ、首位と4打差7位に浮上した。前日26日夜に持病の腰痛を発症し棄権も頭をよぎったが、7バーディー、3ボギーの68。通算3アンダーとして、逆転Vに夢をつないだ。

 首位との差をスタート前の8打から4打に縮めたというのに、香妻の表情は微妙だった。「腰が…。これだけの痛みは久々で、正直怖かった。朝は(棄権を)ちょっと考えたんです」。第1日終了後、パット練習を2時間もやったのがまずかった。前夜にマッサージを2時間受けたが、思うようにならなかった。

 出場22戦でトップ10に7度入り破竹の勢いで初シードを得た14年から、腰痛と闘う。昨季は賞金ランク48位でシードを守ったが、今季も同64位と低迷。「完治させるには切る(手術する)か、筋肉で患部をガードするしかない」。練習は「以前の半分」という1~2時間に抑えている。

 そんな中でつかんだツアー初優勝のチャンスだ。痛み止めを服用し、前半アウトを4バーディー、3ボギーでしのぎ、後半インで3連続バーディー。13番パー5は第2打をグリーンエッジに運び、14番パー4は残り79ヤードの第2打をピン1・5メートルへ、15番パー4は残り148ヤードをピン50センチにつけた。

 目標は「初優勝」と公言する。この日もそこにブレはなかったが「自分から取りにいかず、スコアが良ければ向こうから…という感じで」。不安を抱えながらも、4打差逆転の勝負に挑む。【加藤裕一】

 ◆香妻琴乃(こうづま・ことの)1992年(平4)4月17日、鹿児島県鹿屋市生まれ。ゴルフは3歳から。同郷の横峯さくらがいた「めだかクラブ」で腕を磨き、宮崎・日章学園高1年時の08年日本女子アマでメダリスト(予選R1位)。11年プロテスト合格。下部ツアー2勝。14年賞金ランク19位で初シード。今季は現在同ランク64位。157センチ、51キロ。