石川遼(25=CASIO)が、8カ月ぶりの米ツアー復帰戦で上々のスタートを切った。6バーディー、3ボギーの69で回り、3アンダーで首位と5打差の16位。前週日本オープンで国内メジャー初優勝を飾り、新シーズン初戦となった松山英樹(24)も3アンダーの16位。デレク・ファスアワー(30)キーガン・ブラドリー(30)昨年優勝のジャスティン・トーマス(23=いずれも米国)が8アンダーでトップに並んだ。試合は78人が出場。予選カットなしで4日間行われる。

 ホールアウトした石川は、何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。「よく分かんないです。混乱してます。いいショットがあったり、悪いショットがあったり、内容よりもスコアの方が断然いいなという感じ。内容は(スコアより)もっと悪い」と振り返った。

 後半の2番で「悪いショット」が出た。3番ウッドのティーショットが右の茂みに飛び込み、アンプレアブルを宣言。それでも、6メートルを沈めるナイスボギーで踏ん張った。好調なパットで耐えると「いいショット」は上がり3ホールに集中。7、8番で連続バーディー。最終9番も「自分のスイングができた」というティーショットから、第2打で4メートルのチャンスを演出。バーディーパットを外して天を仰ぐも「(3ホールは)良かった。明日もできれば確信に変わっていくと思うし、そうなればスイッチも入ってくる」と言った。

 日本オープンで予選ラウンドを松山と回って気付いた。狭いフェアウエーと深いラフのコースで「どこにいっても(短いクラブで)刻んだターフの跡があった」。そんな中でも「(松山)英樹は(比較的)ドライバーを持って(攻めて)いた」。米ツアーは285ヤード地点などティーショットの落としどころにバンカーが待ち受ける一方、それを越えるショットさえ打てれば一気に攻略が楽になる特徴がある。本場で大事な攻める姿勢を、日本でもあらためて感じることができた。

 満足のいく出来ではないものの、及第点のスタート。「(米ツアーでの)試合勘は鈍っていない。今日よりももっといい内容、スコアを目指せると思う」。貪欲に、上だけを目指す。【亀山泰宏】