地元宮崎出身の柏原明日架(21=富士通)が、会心のプレーで首位に急浮上した。

 雨が降り続く中、首位と4打差の29位からスタートし、7番から4連続バーディー、12、17番でもスコアを伸ばし、ツアー自己ベストを更新する66の猛チャージを見せた。

 「100点と言ってもいいプレーができました」と誇らしげに話した。例年、夏場以降に体重が極端に落ちることを踏まえ、オフは体重アップに努め、昨季から3キロ増の体でシーズンイン。着手したスイング改造も入り、飛距離も大幅にアップし、開幕戦ダイキンオーキッド・レディースで早々に5位の好結果を出した。

 だが、その後は先週まで2戦連続予選落ち。ドライバーからアイアンまで、伸びた飛距離にアジャストできず、スコアをまとめきれなかった。武器はスケールアップしたのに、結果が伴わない。そんなフラストレーションのたまる中、父武道さん(41)が「遠慮するな!」と背中を押してくれた。

 「私は性格的に調子が上がってくると、ブレーキをかけてしまうところがある。“ゾーン”に入りにくい。でも、今日の4連続バーディーとかは間違いなく、ゾーンに入っていたと思います」

 今週はコースから車で約15分の自宅から通う。家では年の離れた弟成臣くん(3)の遊び相手になる。弟のお気に入りは“戦隊ごっこ”で、今は仮面ライダー系だ。「でも、私も負けたくないので…。この前なんか『お姉ちゃんは負けてくれない』と文句を言われちゃいましたけど」。

 慣れ親しんだ地元で、最高の精神状態で戦える。待ちに待ったツアー初優勝へ、条件は十二分に整った。