谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)が決勝トーナメント1回戦、準々決勝と連勝し、4強入りを果たした。

 決勝トーナメント1回戦で世界ランク16位の難敵ポール・ケーシー(英国)を2アンド1で撃破。1時間ほどの休憩で臨んだ準々決勝では世界ランク53位ロス・フィッシャー(英国)を4アンド2で退けた。

 2試合とも、同時にドライバーを握れば30ヤードは離される相手との対戦。「(上村朋宏)キャディーとずっと話してましたよ。『すげーな。こんなところに1年間いたら、気が狂いそうになるな』って」と笑ったが、好調なショットと持ち味のショートゲーム、巧みなマネジメントで上回った。準々決勝は7番から2ホール連続でバンカーからの寄せでパーを拾うなど、前半だけで4アップ。「外した時に一番易しいところばっかり狙って打ってたんで。飛ばないなりに作戦を立てて、ボギーを打たないように打たないように、頑張ってやってるだけですよ」と涼しい顔で言った。

 試合後、米ツアーは谷原が世界ランク50位以内に浮上する見込みであることを発表。3月27日時点の世界ランクトップ50という条件を満たすことで、07年以来2度目のマスターズ(4月6日開幕、米ジョージア州)出場が確実となった。1月からハワイ、シンガポール、ミャンマー、オーストラリア、メキシコ、そして今回の米本土と世界を転戦してポイントを稼いできた。執念が実り「こういう例もあるんだよっていうのを若手とかにも見せたかった部分ですね」とほほ笑んだ。

 準決勝は世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(32=米国)と対戦する。公式会見で海外メディアから「今のダスティンは無敵に映るが」と聞かれた際には「僕から見ても無敵に見えます。彼が体調を崩してくれることを祈っています」とジョークで切り返したが、胸の内は違う。「この大会、ずっと(自分より)飛ぶ選手と回ってるけど、(D・ジョンソンが)一番飛ぶでしょ? どれくらい距離を置いていかれて、その中でどれくらい粘れる自分がいるのかっていうのを見たい。楽しみですね」。谷原らしく、淡々と-。世界NO・1に挑戦する。