ツアー通算4勝目を狙う鈴木愛(22=セールスフォース)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算5アンダーの139で大和笑莉奈、キム・ハヌル(韓国)と並んでトップに立った。

 17番でピンそば3メートルのバーディーチャンスにつけたが、雷雲接近で競技が中断。「中断してなければ、すごく入れたいと思いすぎて外していたかもしれないけど(中断で)リラックスできた」。再開後、ガッツポーズを見せた16番のバーディーとは対照的に静かに沈めた。

 直近3試合は6位、4位、3位と状態を上げてきている。「毎年毎年、優勝したい思いが強すぎてうまく体がついてこないことが多かった。今年は焦らずできています」。コースのドライビングレンジが極端な打ち上げになっていることもあり「去年は練習しすぎて試合の時にヘッドアップしてしまった。今年は(ドライビングレンジでは)あまり練習しないで、アプローチ、パットを徹底的に練習しています」と準備段階から冷静さが光る。

 1カ月ほど前、幼なじみから「焦ってもいいことはない。その時自分ができるプレーをすればいい」と助言を送られたという。プロサッカー選手を目指してオーストラリアに渡っている旧友の言葉を胸に刻み、優勝争いを前にしても落ち着き払っている。「明日1日落ち着いてできればチャンスは回ってくると思う。焦らず、ゆっくりやっていきたい」。悠然と勝負の18ホールを待つさまは、これまでの鈴木とひと味違う雰囲気を漂わせている。