男子ゴルフの昨季賞金ランク2位、谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)が国内メジャー第2戦のツアー選手権森ビル杯(6月1日開幕、茨城・宍戸ヒルズCC)で日本ツアーが国内開幕を迎えてから初めて出場する。

 昨年大会は3位に入ったが「ここは、いつ回っても難しい。去年もそんなにいいイメージはなかった。どうやって3位になったかと言われたら、自分よりみんなが悪かっただけ、くらいしか思わない」。昨年大会の優勝スコアは2アンダー。難コースへの警戒心が緩むことはない。「なかなかビッグスコアが出るところじゃない。どう我慢していくか」。耐え忍ぶプレーに徹する覚悟はできている。

 30日に練習ラウンドを行ったが、前日29日に英国から帰国したばかり。今季は欧米ツアーへ積極的に参戦し、前週も欧州ツアーの旗艦大会、BMW欧州プロ選手権に出場していた。世界ランク5位ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)や4月のマスターズ2位ジャスティン・ローズ(英国)といった欧州のビッグネームが顔をそろえた中で3位。手応えを問われても「初日の最終ホールで大ミスをかまして、そこからうまくカムバックはできたと思うんですけど、うーん…あんまりないんですよね、自信は」と実感は薄いが、堂々たる戦いぶりだった。

 マスターズ覇者セルヒオ・ガルシア(スペイン)がトップに立つ欧州ツアーポイントランクでも8位。「上位30人に入れば向こうの来年のメジャーに2つ出られるみたいなんで、そういうのもいいですよね。その30位以内をキープできるように、大きい大会にこれからも出ていこうかなと」。すでに出場資格を得ている7月の全英オープン前には、6月29日開幕のHNAオープン(フランス)、7月6日開幕のアイルランド・オープンに参戦を予定。いずれもBMW欧州プロ選手権と同じロレックスシリーズの試合で、賞金総額は700万ドル(約7億7000万円)というビッグトーナメントだ。

 長距離移動の疲労、時差ボケなど苦労は絶えないはずだが「こういうのも、いい経験ですけどね。海外の選手はみんな慣れてるだろうし、そういう中で戦っていかないといけないだろうし」と笑い飛ばす。世界ランクも自己最高に並ぶ48位に浮上。充実感を漂わせる38歳は、これからも世界中を飛び回るつもりでいる。【亀山泰宏】