<男子ゴルフ:日本オープン>◇最終日◇16日◇千葉・鷹之台CC(7061ヤード、パー71)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 日本タイトル通算3勝のベテラン、佐藤信人(41=ミズノ)が、惜しくも復活勝利を逃した。9年ぶりのツアー勝利を目指し、2位と2打差の単独首位で出たが、10番パー4のダブルボギーなどで5つスコアを落とした。終盤16、18番では深いラフからスーパーショットを放ち、いずれも3メートルのバーディーチャンスをつくったが、決めきれずプレーオフ進出に1打及ばなかった。

 「18番はしっかり打てれば、切れずにまっすぐ転がって入るラインだった。でも1回びびってしまったので、今日は一日中、昨日のようにはしっかりと打てていなかった。その分切れて外れてしまった」と佐藤信。それでも通算1アンダーの3位に入ったことで、賞金1540万円を獲得し、来季の賞金シードをほぼ確実にした。

 「そうなんですか、知らなかったです。今週の初めには、第2の人生はどうしようかと思ってました」。ここ5年もパットイップスに悩み、賞金シードから遠ざかった。レンタカーを軽自動車で済ませ、セルフプレーで練習するなど、出費を切り詰めて再起を目指す日々。そこにわずか1戦で、3年ぶりのシードが転がり込んだ。「ここで最近の練習の成果を試して、来季のツアー最終予選会に懸けようと思ってました。こういうことって突然来るんですね」としみじみ話した。

 02年に賞金王争いも経験した実力者。大観衆の前での最終日最終組は、かつては「指定席」だった。久々に大歓声を受けたラウンドを振り返り、思わず声を詰まらせる。「声援がすごくてありがたかった。これがツアーの良さなんだと思いました」。日に焼けた目頭を押さえながら、何度もうなずいた。