<男子ゴルフ:中日クラウンズ>◇2日目◇2日◇愛知・名古屋GC和合C(6514ヤード、パー70)

 遼クンが「ダブルショック」に見舞われた。石川遼(16=パナソニック)が、マーカーを務めた同組の尾崎将司(61)のスコアを間違って記入し、そのままスコアカードを提出した尾崎は失格となった。肝心のゴルフも「名門和合」を攻略できずに73と崩れ、通算4オーバーの70位。カットラインに1打届かず、プロ転向後のツアー3戦目で初めて予選落ちした。

 遼クンの目が一瞬、点になった。「えっ?」。ホールアウト直後の会見中に、関係者から急きょ呼び出される。マーカーを務めていた尾崎将のスコアを誤って記入していたことを知らされた。

 間違えたのは18番パー4のスコアだ。尾崎はバンカーからの第3打をグリーンに乗せることができず、4オン1パットの「5」。ゴルフ競技では選手のスコアは、同組のマーカーがラウンド中につけ、最終的に本人が確認して提出する。尾崎のマーカーだった石川は「4」と記入していた。

 実は16番パー4の尾崎のスコアも石川は「8」と書いていたが、スコア提出所で尾崎から「ここは9だぞ」と指摘され、訂正していた。だが、通算10オーバーまで崩れた尾崎は集中力が散漫になっていたのか、18番は見逃してしまい、そのままカードを提出。結局、過少申告のため、02年カシオワールド以来6年ぶりの競技失格となった。

 最終的な責任は、十分に確認せずスコアカードを提出した尾崎にある。また、失格にならなくても、結果的に予選落ちだった。それでもオフに何度も指導を受けた「師匠」を失格に導き、石川は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。「僕が悪いんです。(18番は)バンカーから出して、1パットの4だと思ってましたから」と肩を落とした。父勝美氏も「それは遼が悪い」とたしなめた。

 初日は15番パー5で第3打を打とうとしてクラブが木の枝を直撃。最終的にはスイング区域の改善には当たらず「無罰」だったが、ホールアウト後に枯れ葉のような小物体が落下していたことが判明する騒動があった。2日続きのドタバタ劇の末、石川自身もプロ転向後のツアー3戦目で初の予選落ち。さすがの「ハニカミ王子」も、顔色がさえなかった。【木村有三】