<米男子ゴルフ:全米プロ選手権>◇最終日◇10日◇米ミシガン州ブルームフィールドタウンシップ、オークランドヒルズCC(7395ヤード、パー70)◇賞金総額750万ドル(約7億8800万円)優勝135万ドル(約1億4900万円)

 パドレイグ・ハリントン(36=アイルランド)が、欧州勢では30年大会のトミー・アーマー(英国)以来78年ぶりとなる全米プロ制覇を果たした。前日に消化できなかった第3ラウンドと最終ラウンドをともに66で回り、通算3アンダーの277で逆転優勝。2連覇した7月全英オープンに続くメジャー2連勝で、メジャー通算3勝目を挙げた。セルヒオ・ガルシア(スペイン)が2打差の2位。藤田寛之(39)は通算20オーバーで68位だった。

 ハリントンは優勝カップを高々と掲げて「この勝利は、ヨーロッパの選手のためにも特別な意味がある」と語った。米国人選手が圧倒的な強さを見せる「全米プロ」のメジャータイトルを、欧州勢ではトミー・アーマー以来78年ぶりに勝ち取った。ウッズの出現以来、影が薄くなっていた欧州に、再び光を照らした。

 鮮やかな逆転だった。最終日、上位は前日の雷雨で持ち越された第3ラウンドと最終ラウンドの計36ホールを回るサバイバル。2日目26位だったハリントンは午前の第3ラウンドで66をマークし、一気に4位に浮上した。午後の最終ラウンドでは同じ組のガルシアとともに、最終組を回るカーティスをとらえてともえ戦に。ガルシアと通算2アンダーで迎えた17番パー3で、ハリントンは3メートルのバーディーパットを先に沈めて「欧州対決」を制圧。並んでいた後続のカーティスも同ホールのボギーで失速。ハリントンは最終18番で、4メートルのウイニングパットを入れると、興奮気味に何度も右拳を振り上げた。

 これで2年連続優勝を飾った全英オープンに続くメジャー連勝。同一年メジャー2勝以上は、06年のウッズ以来の快挙だ。全米オープンも開催される米国屈指の難コースで、全英と同様に、母国アイルランドで鍛えた強風に強いショットの威力を発揮した。「今日は(メジャー初Vを目指す)ガルシアの日だと思っていた」と余裕ものぞかせた。

 ウッズ不在のメジャー2大会での連勝に「ウッズ、ミケルソンに続いて世界3位になるが、タイガーに届くまでにはまだ長い道のりがある」と謙虚に話した。来年のマスターズではメジャー3連勝をかけて、ウッズに直接対決を挑むことになる。