ゴルフの日本男子ツアー、マイナビABC選手権でプロ転向後、初のツアー優勝を飾った石川遼(17=パナソニック)が、埼玉県内の自宅近くにゴルフ施設を構えることが3日、分かった。同施設には、石川のための練習器具を備えたクラブハウスも併設される。来春にもコースが完成する見込み。プロとして悲願のツアー初勝利から一夜明けたこの日、世界ランキングも212位から127位に大きく上昇するなど環境が激変してきた。

 石川の新拠点が、地元の埼玉県北葛飾郡松伏町(まつぶしまち)から自転車で10分ほどの場所に誕生する。知人から畑を借りて、広さは約2500坪ほどで、30ヤードほどのホールを3つ造る。現在は芝を張っている段階で、来春に完成予定という。

 6歳からゴルフを始めた石川は、ジュニア時代から練習場の確保に苦慮してきた。自宅から車で千葉県野田市まで通っていた。この日、遼くんは「近所の人だけでなく、いろいろな人に来てほしい」と目を輝かせた。完成すれば地元のために無料で開放する予定だ。

 新練習拠点に併設されるクラブハウスには、複数のトレーニング器具を備える。父勝美さん(51)は「オフはトレーニングをする」と話しており、自宅近くで効率よく体力強化を行うことができるため、体調維持にも効果を発揮する。

 2日の優勝後、兵庫から車で自宅に戻った。帰宅時間は午前2時を回っていたが、この日は疲れも見せず、6日開幕のレクサス選手権(9日まで、茨城・大利根CC)の会場でショットとパットの練習を約1時間こなした。「昨日はすぐ寝ちゃいました。でも、体がちょっと硬くなっているくらいで、全然大丈夫ですよ」。石川は心も体も充実していた。

 【今井恵太】