<女子ゴルフ:ヴァーナルレディース>◇2日目◇16日◇福岡・福岡センチュリーGC(6594ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)
プロ野球阪神の久保康生投手コーチ(51)の次女啓子(22=朝霧CC)が、初めて予選を突破した。後半インで33とチャージし、73で回って通算4オーバーの148で33位。オフには阪神下柳剛投手(41)らと、トレーニングを積んで心身ともに成長。同投手の誕生日でもあったこの日、アマ時代を含めてツアー通算6試合目で、念願の決勝ラウンド進出を決めた。斉藤裕子(41)が通算7アンダーで首位を守った。
競技は違っても、父から娘へ「猛虎魂」は受け継がれていた。42位スタートから、久保は前半アウトだけで4つスコアを崩した。だが、予選落ちの危機に陥っても集中を切らさなかった。「親孝行したい。それしか考えてなかった」。
正念場で頭に浮かんだのは、両親への感謝の思い。母三代子さん(46)が見守る中、11番で4メートル、15番では6メートル、17番も3メートルをねじ込んだ。後半は3バーディーで33。インだけなら出場104人中2番目の好スコアで、アマ時代を含めてツアー6試合目で初の予選突破を決めた。
かつて近鉄、阪神で通算71勝を挙げた父康生氏は、現在阪神の投手コーチを務める。抜群の運動センスを譲り受けた久保は、15歳でゴルフを始め昨年7月にプロ合格。オフはプロで戦う気力、体力をつけるため約1カ月半、父の“部下”でもある下柳投手らと鹿児島の奄美大島で合宿した。朝から陸上競技場をひたすら走り、夜は真っ暗な冷たい海に高さ4メートルの堤防から飛び込む精神修行。「剛兄ちゃん」と慕う下柳から「活躍したかったら、やれ」と言われ、従い続けて、たくましさが増した。
この日は同投手の41歳の誕生日で「いいプレゼントになりました」と笑った。「賞金は親孝行代に使いたい。それが夢だったので。下柳さんには、お酒を1本持っていきます」。現在、プロを目指して修行中の双子の妹宣子さんと抱く共通の夢は米ツアー挑戦。22歳のホープが、まずはプロとして最初の壁を突破した。【木村有三】

