<女子ゴルフ:中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン>◇初日◇22日◇愛知・中京GC石野C(6421ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 不調の大物新人、金田久美子(19=レプロエンタテインメント)が地元愛知でよみがえった。4バーディー、1ボギーの69で回り首位と2打差、今季最高の2位スタートを切った。開幕9試合で予選落ち8回。どん底まで落ちた自称「ギャルファー」が、考え過ぎずに開き直り、今季10戦目で本来の感性のゴルフを取り戻した。

 感性豊かな本来のゴルフが、ようやく戻ってきた。11番パー4。金田は左奥から20ヤードのアプローチをカップに放り込んだ。12番は8メートルを沈めて連続バーディー。開幕前夜、トレーナーに「明日は絶対69で回る」と宣言した通りのスコアで、今季最高の2位発進。「地元だし頑張りたかった。本当に69で回れて良かった」。悩み抜いた19歳に、光が差してきた。

 世界ジュニア5勝など抜群のアマ実績。鳴り物入りで転向したプロで、思わぬスランプに陥った。出場9試合で予選通過は1度だけ。推定3年9000万円の大型契約を結んだナイキ社や、コーチの父弘吉さん(65)へ恩返ししたい気持ちが、気負いになった。

 振り上げるときに左肩が落ち気味になる独特スイングは父とつくり上げたもの。飛距離やショットの精度は平凡でも、3歳から培ってきた小技の感性でバーディーを積み重ねる。そんな「感性重視スタイル」を見失った。「きれいなスイングしなきゃ」と考えた。へそピアスなどド派手な見た目で自由気ままを思わせる自称「ギャルファー」も、血液型は「きちょうめん」とされるA型。悩むあまりプレーも遅れ、2度も1罰打を食らうほどだった。

 転機のきっかけは「地元」だった。予選落ちした先週土曜日、約1カ月半ぶりに名古屋市の自宅に戻った。友人と大好きなアイスクリームを食べ、思い切り会話を楽しんだ。20日には、繁華街・栄のネイルサロンへ。気持ちが和んだ。「真っすぐ行けば、どんなスイングでもいい。自分の感覚が1番じゃん」と開き直れた。

 父弘吉さんは「今日は、たまたまかも分からん」と気を引き締める。しかし、金田は「調子が悪くなるイメージはない。行けるかな」と強気だ。「ギャルファー」の素顔とともに、自信を取り戻してきた。【木村有三】