<女子ゴルフ:広済堂レディス>◇初日◇29日◇千葉・千葉広済堂CC(6365ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 新人の森田理香子(19=フリー)が、4バーディー、2ボギーの2アンダー70で回り、首位と3打差の7位と好発進した。平均飛距離260ヤードの大器として期待されながら、低迷していたが、師匠でツアープロの足立香澄(43)の指導で復調気配。高校時代に日本代表の同期として戦い、現在米ツアーで活躍する宮里美香(19)にも刺激を受け、「飛ばし屋リカちゃん」に勢いが戻ってきた。

 後半出だしの1番で放った第1打が、「飛ばし屋」森田の復調の証しだった。落ちたと思った地点を探しても、ボールがない。さらに前方の263ヤード地点にあった。「先週から元に戻ってきて、ちょっとずつ自信も戻ってきました」。ようやく光明が見えてきた。

 06年世界女子アマ2位などの実績から、今季の注目新人プロとして期待されてきた。平均飛距離260ヤードで「300ヤード飛ばすのが目標」という大器。それがスイングを崩して、飛距離は20ヤード減となり、開幕から10戦で7回の予選落ちと沈んだ。「6戦連続予選落ちしたときは一番死んでた」と苦悩の日々が続いた。

 2週前のヴァーナルレディース後に、師匠の足立にスイングチェックを受けて、原因が分かった。トップの位置で右脇が空き、クラブが前に倒れていた。当時は「これでそんなに悪くなるのか」と半信半疑だったが、これを改善したら飛距離が戻り始めた。

 スランプ状態で臨んだ5月サロンパス杯で計測したドライバー飛距離は253・3ヤードで9位だった。武器に自信を取り戻すと、自然に運も向いてきた。この日の16番の第1打を左に曲げてOBも覚悟したが、木に当たりボールが戻ってきて幸運なパー。いずれも4メートル以上のパットで4バーディーを奪った。

 高校1年から日本代表の同僚で、先週に米女子ツアーのコーニング・クラシックで4位と健闘した宮里美香の存在も刺激になっている。「毎日くらいメールしあう。予選落ちしたときも『理香子ならできる』と励ましてくれた」という親友は、同時に「負けていられない」ライバルでもある。

 今季の初めに、2人で誓い合ったことがある。「11月の(日米両ツアーを兼ねる)ミズノ・クラシックにお互い出る」。日本ツアーメンバーの出場資格は、10月富士通レディース終了時の賞金ランク35位まで。今は「明日しか見えない」という日々だが、復調を結果に結び付けられれば、約束も果たせるはずだ。