<男子ゴルフ:日本オープン>◇最終日◇18日◇埼玉・武蔵CC豊岡(7083ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)
プロ9年目の小田龍一(32=Misumi)が、通算6アンダーの282で並んだ石川遼(18)今野康晴(36)とのプレーオフを制し、ツアー初優勝を果たした。4打差5位から5アンダー67をマークしてプレーオフに持ち込むと2ホール目で、ただ1人バーディーパットを沈めた。8番の第1打が、偶然にも応援に来ていた優子夫人に当たってフェアウエーに出るなど幸運も味方した。日本ツアー初優勝が日本オープンとなったのは02年のD・スメイル(ニュージーランド)以来、7人目。
2メートル先のカップを見ながら、小田は「決めたら勝つんだなあ」と、これまで味わったことがない感覚だったという。プレーオフの2ホール目。今野も、石川もバーディーパットが決まらなかった。「どうせ強く打てないんで、ボール1個外した」という下りのフックラインが決まった。「日本オープンで勝てるなんて、アンビリーバブル。本当に信じられない」と上気した表情を緩めた。
「本当についていた」。正規18ホールの8番。左に大きく曲げて林に消えた球が、フェアウエーに出てきた。たまたま、近くにいた優子夫人(32)の左肩を直撃し、跳ね返った。「ギャラリーいっぱいで、チョロして人に当てないかなと心配だったんですが、嫁さんに当たるとは。勝利の女神でした」。第2打を左バンカーに入れたが、ここからチップインバーディーで波に乗った。
14番でボードの一番上にある自分の名前を見て、キャディーを務める弟の新さん(24)に「記念に写真撮っておこうか」と話したという。「優勝なんて考えもしなかったですから。とにかくついてました」と笑った。
ドライバー飛距離290・41ヤードの飛ばし屋で20代のころは将来を有望視されたが、優勝には縁がなかった。今大会の深いラフ、狭いフェアウエーに「どうせ曲がるんだから、グリーンに近づけようという『遼くん戦略』で行こうと思った」と、ドライバーで勝負。それが勝利に結びついた。
「(賞金)4000万円かあ。家買いたいですね。嫁に欲しいものを聞かれて、家、車、ジェット機って。まずは家かな」。鹿児島市内に1DKのマンションを借りているが、オフには家を持てそう。結婚6年目で「優勝したら式を挙げる」という優子夫人との約束も果たせそうだ。
これで来季から国内ツアーの5年シードと、来年の全英オープンの出場権獲得が確実になった。「え?
全英、ですか?」と目が点になり「頭になかった。自信ないです」と、夢の日本一達成から現実に引き戻されて、真顔で心配していた。【赤坂厚】

