<米女子ゴルフ:HSBCチャンピオンズ>◇2日目◇25日◇シンガポール・タナメラCC(6547ヤード、パー72)◇賞金総額140万ドル(約1億1200万円)優勝21万ドル(約1680万円)

 米ツアー初優勝を目指す有村智恵(23=日本ヒューレット・パッカード)が、スーパーイーグルで首位を守った。5番パー5(531ヤード)で残り108ヤードの第3打を直接カップに放り込んだ。66の好スコアで通算10アンダーに伸ばし、2位カリー・ウェブ(36=オーストラリア)に2打差をつけた。宮里藍(25)宮里美香(21)上田桃子(24)はそろって通算イーブンの12位につけた。

 有村がボギー先行の苦しい流れを、1発のスーパーショットで吹き飛ばした。5番パー5、残り108ヤードの第3打を、直接カップに放り込んだ。「あれで本当に気持ちが楽になった。自分でも手応えのあるショット。(入ったのは)歓声で分かった」と振り返った。

 会心のイーグルで落ち着きを取り戻すと8、9番で連続バーディー。後半も15番で6メートルを沈めるなど3バーディーを奪った。66は海外の自己ベストスコア。初日に米ツアーで初めて射止めた首位の座を、しっかり守った。

 東北高時代の2年先輩で、尊敬する宮里藍のように、1打1打に集中した。昨年、宮里も習っているメンタルコーチ、ピア・ニールソンの記事を読んだ。静かな心で、1つ1つスコアを積み重ねていく大切さを学んだ。「これまでは結果に対してガツガツしていた。『ここでバーディー取れば、いくつになるな』とか計算して先走ってしまっていた。(今は)いい方向にいってます」と話した。この日は後半の猛ラッシュにも、浮足だつことはなかった。

 プレー後は公式会見に呼ばれなかったものの、集まった海外メディアに英語で応対した。「今日は本当に楽しかった。最高の気分。でも、まだ2日間ある。米ツアーは爆発的なスコアを出す選手がいる。自分をうまくコントロールしていきたい」。初の米ツアー制覇へ、胸を躍らせて残り36ホールに挑む。