<米男子ゴルフ:全英オープン>◇2日目◇15日◇英ロイヤル・セントジョージズGC(7211ヤード、パー70)

 【サンドイッチ=塩畑大輔】トム・ワトソン(61=米国)が22年ぶりのエースで、観客を魅了した。6番パー3(178ヤード)で、見事なホールインワンを決めた。今大会5勝の英雄が放ったスーパーショットに、ファンも大興奮。70で回り通算2オーバーで2日目を終えた。

 スポーンと、きれいに吸い込まれた。178ヤードの6番パー3。61歳になったワトソンが7番アイアンで放った球は、ピン手前3メートルに落ちると、そのままカップに飛び込んだ。難関のリンクスコースに、大歓声がわき起こる。大ベテランも思わず万歳だ。笑顔で会心の一打の余韻に浸った。

 ワトソンにとって、米ツアーでは通算5度目のエース。それも89年AT&Tペブルビーチナショナル・プロアマ以来22年ぶり、メジャーでは80年全米オープン以来31年ぶりに決めただけに、興奮を隠せなかった。

 2日続けて同組で回る新星に、衰え知らずの姿を見せつけた。初日首位に立った20歳のアマ、ルイスもファーストネームは「トム」。父親がワトソンに憧れて、同じ名をつけたという。初日はルイスについて「素晴らしい選手だ。プレーが洗練されている。マキロイ、石川、ルイス。若い選手が本当にいいプレーをする」と絶賛。主役を奪われたかに思えたが、この日は貫禄を示した。

 「ミスター・ジ・オープン」だ。全英では過去5勝。59歳だった09年には、プレーオフの末大会6勝目を逃したが、ワトソンの活躍で歴代優勝者の60歳定年制が変更。過去5年間で10位内に入れば、出場できることになった。今年はその権利で参戦。風が強く、地面が硬い独特のリンクスで、経験豊富な技を生かして戦った。若手の台頭が目立つ中で、存在感を見せた61歳。まだまだ、この舞台にワトソンは欠かせない。