<女子ゴルフ:マスターズGCレディース>◇2日目◇22日◇兵庫・マスターズGC(6458ヤード、パー72)◇賞金総額1億2300万円(優勝2214万円)

 大山志保(34=フリー)が、ツアー通算12勝目となる3年ぶりの復活Vを射程に入れた。3バーディー、1ボギーの70で通算2アンダー。暫定首位の馬場ゆかり(28)と2打差同5位に浮上した。07年に連続予選通過が75試合で止まり、08年には左肘手術前最後の優勝を飾った“思い出のトーナメント”で勝負をかける。雷雲接近によるサスペンデッドで18選手が競技を完了できず、未ホールアウト選手では上原彩子(27)不動裕理(35)が同3アンダーと上位にいる。

 唯一のボギーも悔いはない。16番パー4。大山のバーディートライはカップを2メートルオーバー、3パットになった。「強気に打った」。15番まで3バーディー。最近出場4戦連続トップ10という好調さで、ほんの少し調子に乗りすぎた。

 マスターズGCレディースは、良くも悪くも「思い出のトーナメント」だ。最後にツアー優勝したのが08年大会。その後09年12月に左肘靱帯(じんたい)損傷の手術を受けるなど、故障に泣いてきた。07年は1打足りずに連続予選通過が75試合でストップ。号泣しながらコースを出た。公傷制度適用を受け、ツアー復帰した昨年は出場10戦で唯一の予選落ち。初日の17番パー3で「8」をたたいた。

 「最後に勝った試合というより、すっごく泣いた記憶が強い。だから『今週は勝負!』と気合を入れて来ました」

 ソフトバンク球団の王貞治会長(71)を尊敬している。宮崎市で個人タクシー運転手を営む父晃さん(71)と親交が深く、今季パ・リーグ優勝決定時に花束を贈った。「優勝目指して、頑張りなさい」という礼状が届いた。「プロは強いだけじゃなく、感謝の気持ちを常に持たないといけない。本当に見習わなきゃと思います」。3年ぶりのツアー12勝目は、目の前にある。【加藤裕一】