宮里藍(26=サントリー)が「超本気モード」の切り替えで、自身初の日米連続Vに照準を合わせた。4月30日、国内メジャーのワールドレディスサロンパス杯(3日開幕、茨城GC)に備え、会場で練習に臨んだ。2週前の米ツアー・ロッテ選手権(ハワイ)で今季初Vを挙げて帰国した後、故郷・沖縄に戻って心身をリセット。「優勝は終わったこと」と、気持ちを引き締め直してきたことを明かした。日本人では87年の岡本綾子以来、25年ぶりとなる日米をまたいだ連続Vへの強い意欲を示した。

 今回は違います-と言わんばかりのはっきりした口調だった。2週前のロッテ選手権で今季初、米メジャー8勝目を挙げて凱旋(がいせん)帰国し、宮里にとって今季初の国内戦はワールドレディスサロンパス杯。特別協賛社は自らのスポンサーとなる。特に昨年は10オーバー49位。「メジャーのタイトルは重いし、どうしても勝ちたい。悔しい思いをしている大会ですし、ホステスプロとしての自分の意地もあります」と、並々ならぬ決意を示した。

 2年前の10年は2度、米ツアー優勝から帰国し、そのまま国内ツアーに臨んだが、優勝は遠かった。宮里は「いろいろ調整して臨んだけれど、日米連続での優勝は難しいもの。時差ぼけもあり、調整も難しい」と反省、今回は1週間のオフを入れた。その目的は技術的な確認作業や、時差ボケ解消だけではなかった。勝ってかぶとの緒を締める時間が欲しかった。

 宮里

 勝った後のオフはゆとりができ、気持ちの整理ができない。気をつけたいことなどを自分の気持ちをオフにして整理をつけました。もう優勝したことは終わったことなので。今回は月曜から練習できてリズムで入ることができる。

 87年に岡本綾子が日米ツアー連続Vを成し遂げており、宮里が達成すれば25年ぶりの快挙となる。ただ岡本は国内→米国の順番で優勝しており、宮里のケースは米国→国内の逆パターンとなる。日本に戻って「凱旋出場」と祝福される中、心身のバランスを整える難しさは当然、あるだろう。今日1日もコースに出て練習ラウンドを行う予定の宮里は「ハワイは終わりました。今週は新しい1週間。あまり余計なことは考えずにやりたい」。優勝した喜びを1度リセットし、日米連続V達成へ準備を整えている。【藤中栄二】

 ◆日本人の「日米」出場2ツアー連続V

 87年5月、岡本綾子が国内ツアーのコニカワールドレディスを制覇した後に渡米。直後の米ツアーとなるクライスラー・プリムス・クラシックで連続Vを達成している。宮里は10年2月、ホンダLPGA、HSBC選手権で米ツアー開幕2連勝で帰国し、国内ツアー開幕戦となるダイキンオーキッドレディスに出場したが7位。同じく5月には米ツアーのトレスマリアス選手権で優勝した後に帰国し、ワールドレディスサロンパス杯に出場したが、6位だった。